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特別展「星の瞬間 アーティストとミュージアムが読み直す、Hokkaido」(北海道立近代美術館)会場レポート。北海道美術の重層を示す【3/6ページ】

 日本画家・片岡球子は地元・札幌市の出身とあって、同館の重要なコレクションの一角を占める。同館学芸員の星野靖隆は、本展で片岡の肖像画シリーズ「面構」を分析した。

展示風景より、右が片岡球子《面構 浮世絵師歌川国芳と浮世絵研究家鈴木重三先生》(1988)

 片岡の「面構」は、歴史人物の広く知られた肖像をモチーフとしている。例えば、23年に同館に寄贈された《面構 一休さま》は、広く知られた東京国立博物館収蔵の《一休和尚像》によって広く知られた一休の肖像を参照していることがわかる。しかし、このように知られた肖像を引用する手法は近代日本画において一般的ではなかったという。星野は片岡の師である安田靫彦の《黄瀬川陣》(1940-41)に着目し、片岡を含むその弟子筋によって古典的肖像の引用が戦後にかけて用いられるようになったことを指摘。肖像となった人物の人となりをいかに絵画に表現するかについての、日本画における志向の変遷を解説した。

編集部

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