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特別展「星の瞬間 アーティストとミュージアムが読み直す、Hokkaido」(北海道立近代美術館)会場レポート。北海道美術の重層を示す【2/6ページ】

 1978年札幌市生まれのアーティスト・武田浩志は、蛍光色を用いた色層と透明なメディウムを繰り返し重ね、そこに印刷物やラメなどを混ぜ合わせた平面作品を制作してきた。今回展示されているのは、「portrait」シリーズの最新作《portrait 292》(2025)で、額装された絵画とモニターを対でみせることで絡み合った絵画のイメージを表現した。

 武田が選んだ同館のコレクションは、自身が大きな影響を受けたという佐々木徹(1949〜2007)の作品だ。武田の作品の両翼のように佐々木の平面作品が展示されており、グループ展もともにしたことがあるというふたりの作品が再び出会った。

展示風景より、両端が佐々木徹《無題#4》、《無題#5》(ともに1990)、中央が武田浩志《portrait 292》(2025)

 同館主任学芸員の土岐美由紀は日本画家・筆谷等観(1875〜1950)を、下村観山や横山大観とともに紹介している。小樽に生まれた等観は、上京して東京美術学校で大観に学び、大観・観山が組織した日本美術院に参加。中央画壇で頭角を現した。当時の小樽が北海道における港湾都市として隆盛していた背景や、北海道出身で中央画壇で活躍する第一世代としての来歴を知ることができる。

展示風景より、左端が筆谷等観《春寒賜浴》(1924)

編集部

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