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ゴールデンウィークに見たいアートムービー&ドラマ ベスト20

Amazon Prime VideoとNETFLIXで見ることができるアートムービーをピックアップ。配信期限つきの作品もあるため、気になるものは早めのチェックをおすすめしたい。

『皮膚を売った男』 、Amazon Prime VIdeoの予告映像(https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B09SZ64YF9/ref=atv_dp_share_cu_r)より

Amazon Prime Video

『クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代』

 日本でも高いに人気を誇る、オーストリアの画家、グスタフ・クリムト(1862〜1918)とエゴン・シーレ(1890〜1918)とともに、19世紀末のウィーンのサロン文化を紹介するドキュメンタリーが『クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代』だ。

 クリムトの代表作《接吻》《ユディトⅠ》や、シーレの《死と乙女》などを高精細に分析した豊富な映像資料をもとに、その作品の魅力と2作家の人生に迫る。なお、日本語のナレーションは俳優の柄本佑が担当。やわらかな語り口が、革新的な芸術が生まれた世紀末ウィーンへと導く。

『ダ・ヴィンチ・コード・デコード 』

 映画化もされた、ダン・ブラウンによる世界的ベストセラー小説『ダ・ヴィンチ・コード』。本作でも投げられていたレオナルド・ダ・ヴィンチの謎を、改めてドキュメンタリーとして考えるのが『ダ・ヴィンチ・コード・デコード 』だ。

 マグダラのマリアの本当の役割から、ダ・ヴィンチの絵画に隠された暗号化されたメッセージ、グノーシスの福音書の秘密まで、この小説の裏に隠された説を解明したドキュメンタリーとなっている。

『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』

 郵便局員のハーブと図書館司書のドロシー。夫婦の共通の楽しみは現代アートをコレクションすることだ。選ぶ基準はふたつだけ。ひとつは自分たちの給料で買える値段であること。ふたつめは1LDKのアパートに収まるサイズであること。

 慎ましい生活のなか、約30年の歳月をかけてコツコツと作品を買い集めてきたふたりだが、そのコレクションはいつしか20世紀のアート史に名を残す作家の作品ばかりになっていた。そんなふたりに、アメリカ国立美術館から寄贈の依頼がやってくる。

 アートコレクターを自認する人であれば、見ていない人はいないとも言われる、コレクターが持つべき精神性を描いた『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』。未見の人はこの機会に見てはいかがだろうか。

『ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像』

 フィンランド・ヘルシンキで美術店を営む老人・オラヴィは、顧客リストは手書きで管理、領収書はタイプライターで発行するなど、いまだに古い商いを続けている老美術商。しかし最近はオンラインギャラリーの勢いにおされ、客足も遠のき資金繰りも悪化、店を畳む事も考え始めていた。

 ある日、美術商仲間に誘われ訪れたオークションハウスの下見会で、オラヴィは1枚の肖像画に目を奪われる。「男の肖像」と名づけられたその絵は署名もなく出所も不明で、仲間からも購入するにはリスクが高い絵画だと止められてしまう。だがこれまでの経験で価値ある作品と確信したオラヴィは、絵の背面に残された少ない情報を頼りに、2日後のオークションに向け調査を開始する。

 アートの売買における現代事情を物語に組み込みつつ、スリリングなエンターテインメントとして仕立てられた『ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像』。美術に魅入られた人々の異常なまでの情熱の描写も見どころだ。

『皮膚を売った男』 

 シリア当局から過激思想を疑われ隣国レバノンへ亡命したサムは、愛する女性・アビールの住むベルギーへの渡航を望むものの、手段がなかった。そんななか、サムが出会ったのは、著名な芸術家・ジェフリー。ジェフリーはサムに「自身の背中にタトゥーを施して、ジェフリーの『アート』となる」ということを提案し、サムはこれを承諾する。

 ジェフリーの作品として美術館に展示されるサムだが、やがて自由と大金以上に、失ったものが大きいことを悟る。現代美術の先鋭のなかにある攻撃性も想起させる本作『皮膚を売った男』はオスカーにノミネートされたのも納得の緊張感ある物語が魅力だ。

『レンブラントは誰の手に』

 2018年、44年ぶりにレンブラントが描いた肖像画が発見されたニュースが、世界に衝撃を与えた。競売で落札した絵が実はレンブラントの作品だったと発表したのは、野心に燃える若き画商のヤン・シックス(11世)。

 それは果たして本物のレンブラント作品なのか、はたまた無名の画家の作品か。一枚の肖像画をめぐる議論は、やがて真犯人を探すミステリーのような展開となる。本件をとらえたドキュメンタリーが『レンブラントは誰の手に』だ。

『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』

 若き日のル・コルビュジエの制作をめぐる嫉妬や葛藤を描く『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』。近代建築の巨匠ル・コルビュジエは、1920年代の若き日に、家具デザイナーとして活躍していたアイリーン・グレイに出会う。彼女は恋人である建築家兼評論家のジャン・バドヴィッチとともに、南フランスのカップ・マルタンで海辺のヴィラ「E.1027」を建築家デビューの作品として設計した。

 完成したその家はル・コルビュジエが提唱してきた「近代建築の5原則」を具現化し、モダニズムの記念碑といえる完成度の高い傑作となる。当初はアイリーンに惹かれ絶賛していたル・コルビュジエだが、称賛の想いは徐々に嫉妬へと変化していく。

『ゴッホ:天才の絵筆』

 世界でもっとも有名な画家と言っても過言ではない、ポスト印象派の画家、フィンセント・ファン・ゴッホ。『ゴッホ:天才の絵筆』は、そんな彼が絵画を制作した9年間の足跡をたどるドキュメンタリーだ。

 IMAXでの上映を前提に制作されており、ゴッホ作品の強烈な色彩や筆触を臨場感あふれる映像でたどることができる本作。すでに多くの人に知られているゴッホの生涯だが、あらためてそのリアリティを感じることができる一本だ。

『ゴーギャン タヒチ、楽園への旅』

 ゴッホと志を同じくしながらも、やがて袂を分かつことになったポール・ゴーギャンに焦点を当てた作品がエドゥアルド・デルック監督『ゴーギャン タヒチ、楽園への旅』(2017)だ。

 画家として名をなしながらも、作品が売れず行き場を失っていたゴーギャンは、絵画制作の場をフランス領タヒチに求めてひとり旅立つ。ゴーギャンが島の奥地の森で少女・テフラと運命の出会いを果たす。代表作を次々に生み出していくゴーギャンだが、やがてこの地でもゴーギャンを苛む苦悩の日々を描く。

『おーい、応為』

 江戸時代を代表する絵師・葛飾北斎の娘、葛飾応為を主役に据えた作品が『おーい、応為』だ。お栄はある絵師のもとに嫁ぐが、かっこうばかりの夫の絵を見下したことで離縁となり、父のもとへと出戻る。父娘にして師弟。描きかけの絵が散乱したボロボロの長屋で始まった二人暮らしだが、やがて父親譲りの才能を発揮していくお栄は、いつも「おーい!」と呼ばれることから北斎から「葛飾応為(おうい)」という名を授かる。

 長澤まさみ演じる応為が、一人の浮世絵師として時代を駆け抜けていく様を史実織り交ぜながらドラマチックに描いた作品。お栄のよき理解者でもある善次郎との友情や、兄弟子の初五郎への淡い恋心、そして愛犬のさくらとの日常など、江戸文化への憧れがあふれた作品だ。

『マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”』

 1988年にパリでファッションブランド「マルタン・マルジェラ」を興し、服の概念を解体し続けたデザイナー、マルタン・マルジェラ。2009年に発表された10年春夏コレクションの際にはすでに引退していたとされており、キャリアを通して公の場に姿を現さず取材や撮影を断り続け、そのすべてが謎に包まれていた。

 そのマルジェラ本人が初めて制作に協力したドキュメンタリー映画が『マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”』(原題:『Martin Margiela: In His Own Words』)だ。マルジェラは「顔は写さない」という条件のもと、同作で謎に包まれてきた自身について語る。初めて公表するドローイングや膨大なメモ、7歳でつくったという人形の服などのプライベートな記録のほか、ドレスメーカーだった祖母からの影響、ジャン=ポール・ゴルチエのアシスタント時代、足袋ブーツの誕生の、世界的ハイブランド、エルメスのデザイナーへの抜擢、そして突然の引退などの全容を、カメラの前でマルジェラ自身が明かしている。

編集部