「札幌国際芸術祭2027」は冬開催。4名のディレクターチーム体制へ

2027年1月〜2月に開催を予定している「札幌国際芸術祭2027」の開催方針とディレクターが発表された。小川秀明がクリエイティブディレクターを務める4名のディレクターチーム体制となる。

「札幌国際芸術祭2024」の展示風景より

 2014年より3年に1度開催されてきた「札幌国際芸術祭(SIAF)」。次回となるSIAF2027の開催方針とディレクターが発表された。

 次回の芸術祭は、2024年の取り組みを踏まえつつ、札幌ならではの魅力を最大限に引き出すことを目指し、冬季開催が継続される。開催期間は2027年1月〜2月を予定しており、雪に覆われた札幌の街でしか味わえない特別な芸術祭となることが期待されている。

 SIAF2027は、札幌の独自性を生かしつつ、市民が参加しやすい開かれた芸術祭を目指すとともに、持続可能な運営体制を構築することが求められる。ユネスコ創造都市ネットワークなど、札幌市が持つ国際的なネットワークの活用を視野に入れつつ、来場者のニーズに合わせたサポートを行い、企業や地元関係者との積極的な協働を深める。

 ディレクター体制としては、従来の「ディレクター」ひとりの役割を再構築し、4名のディレクターがそれぞれの分野で責任を持つ新しい体制が導入される。クリエイティブディレクターには前回に引き続き小川秀明が選ばれ、新体制ディレクターチームの統括や、次回のテーマ・コンセプトに関する企画方針の提示・監修などを担当する。

 フェスティバルディレクターには細川麻沙美が選任された。SIAF2014から関わり、SIAF2024ではメイン会場のコーディネートや事業計画を主導した細川は、次回の開催方針や広報戦略を担当する。また、スクールディレクターには漆崇博が選ばれ、教育機関との連携を強化し、SIAFスクールを通じて市民の参加を促進する役割を担う。スタジオディレクターには丸田知明が任命され、芸術祭の会場構成やテクニカルオペレーションを担当する。

 小川は声明文で、次のようなコメントを寄せている。「SIAF2024で提示した、これからの芸術祭のコンセプト『未来に向けた『創造エンジン』『文化インフラ』『市民参加』の実現』をさらに深化させ、ユネスコ創造都市ネットワークの『メディアアーツ都市』である札幌が、持続的な未来志向の創造都市へと変容できるよう貢献していきたい」。

 今後、テーマやコンセプトを決定し、ゲストキュレーターの選定が進められ、今夏を目処に発表する予定だという。SIAF2027がどのようなかたちで実現するのか、引き続き注目していきたい。

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