妙顕寺
まずは、昨年に引き続き主要会場のひとつとなる大本山 妙顕寺から見ていこう。今回の出展者のなかでも注目したいのが、メルボルンを拠点とするConners Conners GalleryとCAVESだ。いずれもアーティストが主体となって運営するスペースであり、CURATION⇄FAIR Kyotoとして初めての海外出展者となる。
Conners Conners Galleryは、ナレル・デズモンドの個展形式で参加。デズモンドは、身近な人工物と、そこに作用する目に見えない力との関係を探求してきたアーティストだ。日常的なものが人間の手によってかたちづくられるいっぽう、人間や社会もまた周囲の環境によってかたちづくられている。そうした双方向の関係を、インスタレーションによって表現してきた。

今回は京都で調達した素材も使用し、寺院という場所に応答する立体作品を現地で制作する。作品が置かれる環境に着目する本フェアのコンセプトを、直接的に体現する展示と言えるだろう。
工芸分野では、ATSUHIKO SUEMATSU GALLERYが紹介する池田巖の新作《風神 雷神》(2026)にも注目したい。長年にわたって竹と漆を用いた作品を制作してきた池田が今回取り組んだのは、人の手ではつくり出すことができない複雑な形状をもつ亀甲竹だ。2018年に京都西山の竹林で自然に倒れた竹と数年にわたって向き合い、その曲がりや節、裂け目といった自然の痕跡を残しながら、金や銀、漆による介入を最小限にとどめて作品へと昇華させた。

人間が自然を加工して造形するのではなく、自然が生み出した形を受け入れ、そこに手を加えていく。その制作姿勢は、自然と人間の営みが長い時間をかけて共存してきた寺院という場とも響き合う。
妙顕寺では、茶室という限られた空間を活用したMarco Galleryの展示も興味深い。ここでは大竹舞人、青野文昭、Houxuo Que、サルチョード・イルという4人の作品がひとつの空間に集められた。
本来、茶室は限られた空間のなかで道具や人、自然との関係に意識を向ける場所でもある。そこに現代美術の作品を持ち込むことで、普段とは異なる鑑賞体験が生まれることになる。




















