登録有形文化財「kudan house」でCURATION⇄FAIR Tokyoが開幕。展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」がシリーズ最終章へ

東京・九段のkudan houseを会場とする展覧会とアートフェアで構成される「CURATION⇄FAIR Tokyo」。その展覧会パート「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」が開幕した。

文・撮影=橋爪勇介(ウェブ版「美術手帖」編集長)

展示風景より、正面に見えるのは内田巌《タイトル不詳》(1936)

 東京・九段の登録有形文化財「kudan house」で、キュレーターによる展覧会とアートフェアの二部構成で構成されるCURATION⇄FAIR Tokyoが今年も開催。展覧会パート「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」が幕を開けた。会期は2月8日まで。アートフェアは2月13日〜15日。

 キュレーター・遠藤水城が手がける展覧会「美しさ、あいまいさ、時と場合に依る」は、2024年、25年に続き、今回が3回目の開催。川端康成と大江健三郎によるノーベル文学賞受賞講演を起点に、日本の近現代史と美術の関係を多層的に読み解く試みとなっている本展は、2024年から続いてきたシリーズの最終章となる。展覧会は李朝白磁、明治・戦後美術、現代作家による新作など、時代やジャンルを横断する複数のパートで構成。

 受付のすぐ脇にある「ガレージ」は、展覧会の導入部に位置づけられている。ここでは、明治期の浮世絵師・小林清親の木版画《平壌攻撃電気使用之図》(1894)を中心に、曽根裕《Movie Theater》(2017)や香月泰男《業火》(1969)が並び、「光」がもつ政治性と美学性を交差させる。

ガレージ会場

 1階では、第二次大戦後に結成された日本美術会を構成した多様な作家たちに焦点が当てられる。日本美術会は、戦後の焼け野原となった日本で芸術文化を立ち上げようとした集団である。本展では、その創立声明文に署名した内田巌、山口薫、松本竣介、丸木位里らの作品が展示され、新たな時代をつくろうとした美術家たちの多様性が、会場空間として再現されている。

展示風景より、日本美術会の作家たちの作品がずらりと並ぶ