静岡県熱海市のMOA美術館で、「生誕150年 吉田博展」が開催される。会期は9月4日〜10月20日。
吉田博(1876〜1950)は福岡県久留米市出身。久留米藩士・上田束の次男として生まれ、18歳で上京、そして画塾・不同舎へ入門し本格的な画業をスタートさせた。23歳であった1899年には、描き溜めた水彩画を携え後輩とともに渡米。デトロイト美術館などでの展示即売会を大成功に導いて資金を獲得し、ヨーロッパも巡って2年後に帰国した。以降、計7年におよぶ外遊によって古今にわたる西洋美術に触れるとともに画技を磨き、洋画団体・太平洋画会の中心人物として活躍することとなる。「自然の力ほど巨きなものはない」と自然への畏敬の念を抱いていた吉田は、その美を描き出すことを使命と考え、国内外の数々の風景画を残した。


本展は、近年発見された水彩画の大作《街道と馬》(1908頃)をはじめとする水彩画、雄大な山岳風景を描いた油彩画、後半生に傾倒した私家版木版画など、多彩な技法による名品を一堂に展示。3部構成で、吉田の卓越した自然観とその芸術世界を紹介するものとなる。


さらに、吉田の描いた風景の現在の姿を独自に取材・撮影し、写真パネルと並べて比較する展示も実施するほか、縦3.5メートル、横21メートルのL字の壁面に、1億5千万画素の高精細画像として撮影したデジタル素材を活用し、代表作を大画面で投影。紙や絵の具の質感から、木版画の摺りの技までを間近で堪能できるような鑑賞体験も提供される。

























