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中西夏之

Natsuyuki Nakanishi

 中西夏は1935年東京都生まれ。東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。59年に砂を混ぜた塗料を用いた《韻》の制作を開始。62年、高松次郎、川仁宏らと《山手線事件》と称したパフォーマンスを決行する。63年の「第15回読売アンデパンダン展」に、キャンバスから出た紙紐にアルミ製の洗濯バサミを大量につける《洗濯バサミは撹拌行動を主張する》を出品、代表作となる。同年に赤瀬川原平、高松次郎とハイレッド・センターを結成してパフォーマンスを行うほか、65年には舞踏家である大野一雄、土方巽らと交流。瀧口修造や澁澤龍彦らとも知り合う。土方率いる暗黒舞踏の公演の舞台美術や舞台装置、オペラの舞台装置など、活動の幅を広げる。96年、東京藝術大学美術学部絵画科教授に就任。97年、東京都現代美術館にて「中西夏之展 白く、強い、目前、へ」が開催されたほか、晩年まで精力的に新作を発表し続け、国内外で展覧会が多数開催。オブジェやインスタレーションも発表したが、とくに平面作品に向き合い、絵画という概念自体について根源的な思索を深めながら制作を重ね、空間への緊張を表現してきた。2016年没。