今週末に見たい展覧会ベスト12。ル・コルビュジエから「リビング・モダニティ」、ジオ・ポンティまで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s‒1970s」の展示風景より、ミース・ファン・デル・ローエ「ロー・ハウス」の実寸大

もうすぐ閉幕

「ル・コルビュジエ 諸芸術の綜合 1930-1965」(パナソニック汐留美術館

展示風景より

 近代建築の巨匠として世界的に知られているル・コルビュジエ(1887〜1965)。その後期の絵画芸術に注目する展覧会「ル・コルビュジエ―諸芸術の綜合 1930-1965」が、3月23日までパナソニック汐留美術館で開催されている。レポート記事はこちら

 コルビュジエは、生まれ育ったスイスのラ・ショー=ド=フォンの美術学校在学時より画才の頭角を現し、18年から約10年間は画家のアメデ・オザンファンと創始した「構築と総合」の芸術である「ピュリスム」運動のもと絵を描いた。

 本展は4章で構成し、約90点(絵画、彫刻、素描、タペストリー、図面、模型、ルシアン・エルヴェの写真作品)のほか写真資料を展示。30年代以降にコルビュジエが手がけた絵画、彫刻、素描、タペストリーを展示し、さらに彼が求め続けた新しい技術の芸術的利用にもスポットを当てる。また、後期の建築作品もあわせて紹介することで、はるかに伝統的な枠組みを超え、モダニズムの領域をも拡張したル・コルビュジエの円熟期の芸術観を明らかにする。

会期:2025年1月11日~3月23日
会場:パナソニック汐留美術館
住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4F
開館時間:10:00~18:00(2月7日、3月7日、14日、21日、22日〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで 
料金:一般1200円 / 65歳以上 1100円 / 大学生・高校生 700円 / 中学生以下無料 ※土日祝は日時指定予約(平日は予約不要)。当日空きがあれば入館可能。混雑状況により入館方法が変更になる場合がある。

「今津景 タナ・アイル」(東京オペラシティ アートギャラリー

展示風景より

 インドネシアを拠点に活動する現代アーティスト・今津景による初の大規模個展「今津景 タナ・アイル」が、3月23日に東京オペラシティ アートギャラリーで閉幕する。レポート記事はこちら

 今津は、インターネットやデジタルアーカイヴから得た画像をコンピュータ・アプリケーションで加工し、その下図をもとにキャンバスに油彩で描く手法で知られている。2017年からインドネシアのバンドンを拠点にし、近年はインドネシアの都市開発や環境汚染といった社会的な問題をテーマにした作品を多く発表している。

 本展のタイトル「タナ・アイル」は、インドネシア語で「タナ(Tanah)」が「土」を、「アイル(Air)」が「水」を意味し、両者を合わせると「故郷」を意味する。インドネシアの歴史や神話、環境問題といった多様なテーマが取り入れられた作品を紹介することで、日本という故郷と、現在の拠点であるインドネシアのふたつの土地に根ざした経験と思考が反映された今津の作品を通じ、鑑賞者に自らの「生きる場所」を再考するきっかけを提供している。

会期:2025年1月11日〜3月23日
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティビル3F 
開館時間:11:00〜19:00 ※入場は18:30まで
料金:一般 1400円 / 大高生 800円 / 中学生以下無料 

編集部

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