東京・汐留のパナソニック汐留美術館で、建築家ル・コルビュジエ(1887〜1965)における後期の絵画芸術に注目する初の展覧会「ル・コルビュジエ―諸芸術の綜合 1930-1965」がスタートした。会期は3月23日まで。キュレーターは、ロバート・ヴォイチュツケ(ゲスト・キュレーター、美術史家)、大村理恵子(パナソニック汐留美術館 主任学芸員)。
近代建築の巨匠 ル・コルビュジエは、ロンシャンの礼拝堂、無限成長博物館構想、チャンディガールの都市計画、ブリュッセル万国博覧会フィリップス館、そして日本においては国立西洋美術館の基本設計を手がけたとして世界中で知られている。いっぽう、その活動の後期においては視覚芸術の分野においても活躍し、建築での考えをベースに絵画や彫刻をつなぐ試みを「諸芸術の綜合」と表現。自身の芸術観全体を示すスローガンとした。
同展は、コルビュジエの芸術家としての側面や、円熟期ならではの楽観的で遊び心のある表現、そしてハンス・アルプ、フェルナン・レジェ、ワシリー・カンディンスキーといった同時代作家とのつながりについても紹介。会場では、1930年代以降にコルビュジエが手がけた絵画、彫刻、素描、タペストリーなど約90点あまりが全4章立てで構成されている。