線路に沿うように進む鑑賞。若山満大評「会社に運動会があった頃〜一企業が捉えた昭和30年代の街・ひと・くらし」展

東武博物館にて企画写真展「会社に運動会があった頃〜一企業が捉えた昭和30年代の街・ひと・くらし」が2020年9月から11月に開催された。東武鉄道の社内報に掲載するために撮影された写真を中心に、東武鉄道沿線の風景や風俗、人々の暮らしをとらえた60点を展示。その展示スタイルからみえた展覧会のそのもののあり方を、インディペンデント・キュレーターの若山満大が考察する。

REVIEW

「ヒップホップとしての絵画」、その新しさとは? 石川卓磨評「千葉正也個展」

東京・八王子エリアを拠点に活動し、国内外で活躍する千葉正也の大規模な個展が、東京オペラシティアートギャラリーで開催されている。千葉は、紙粘土や木片で人型のオブジェを制作し、身の回りの品々とともに周到に配置した仮設の風景をつくったうえでそれを絵画化するという代表的な手法を中心に、映像、インスタレーション、パフォーマンスなど様々な方法を用いて作品を発表する。自身の絵画作品をダイナミックに配置し、様々なオブジェクトや生きたカメをも共存させる展示空間をつくりあげた本展を機に、その絵画やペインターとしての独自性を、美術家、美術批評の石川卓磨が論じる。

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アニメ評論家・藤津亮太が会田誠の「戦争画」に見出したもの。なぜ『アニメと戦争』の装丁は「戦争画RETURNS」になったのか

3月2日に発売されたアニメ評論家・藤津亮太の著書『アニメと戦争』(日本評論社)。アニメに登場する様々な戦争の系譜をたどり、社会との関係を問い直す同書の装丁には会田誠《ザク(戦争画RETURNS 番外編)》(2005)が選ばれている。なぜ、会田誠の「戦争画」が同書に必要だったのか、その理由を藤津が綴る。

INSIGHT

コロナ禍の前から変わらないものとは。荒井保洋評「日日の観察者」展

京都精華大学出身である4名のアーティスト、小出麻代、花岡伸宏、藤野裕美子、松元悠が参加した企画展「日日(にちにち)の観察者」は、日々のささやかな出来事や暮らしの観察から、新たな風景を生み出すというテーマのもと、HOTEL ANTEROOM KYOTO l Gallery 9.5で開催された。新型コロナウイルス感染症の世界的流行を経験したいま、改めて日常とは何かという思索へと誘う本展について、滋賀県立近代美術館学芸員の荒井保洋が論じる。

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