戦後の現代美術を語るうえで欠くことのできない作家のひとり、ヨーゼフ・ボイス(1921〜1986)。今年5月には生誕100年の節目を迎えるこのアーティストを記念し、カスヤの森現代美術館では同館所蔵作品のなかから普段公開していない作品を中心に、常設のコレクションと合わせて紹介する展覧会が開催されている。
ヨーゼフ・ボイスは1921年ドイツ・クレーフェルト生まれ、脂肪やフェルトを素材とした彫刻作品の制作、アクション、対話集会のほか、政治や環境問題にも介入し、その活動は多岐にわたった。とくに知られるのは「社会彫刻」と呼ばれる、社会の中に機能する芸術の概念を生み出したことだ。
その作品やアクションを通し、政治、経済、環境という社会的な問題について様々なメッセージを発信し続け、60年代以降のアートシーンに多大な影響を与えたボイス。カスヤの森現代美術館では、1994年の開館当初より企画展や常設のコレクションを通してボイスを紹介しており、本展では普段展示されていない作品やアクションの記録写真などが並ぶ。
なお豊田市美術館ではボイスとともにブリンキー・パレルモを紹介する初の展覧会「ボイス+パレルモ」展が開催(4月3日〜6月20日)。こちらもあわせてチェックしたい。