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2018.12.26

冬休みは美術館へ。 年末年始も見られる展覧会をピックアップ

フェルメールからチームラボまで、年末年始も見ることのできる展覧会を首都圏を中心にピックアップ。長期休暇中のお出かけの参考にしてほしい。

ヨハネス・フェルメール 牛乳を注ぐ女 1660頃 アムステルダム国立美術館蔵 Purchased with the support of the Vereniging Rembrandt, 1908 ©Rijksmuseum, Amsterdam
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 開幕から2ヶ月あまりで、来場者数が40万人を突破した東京・上野の森美術館の「フェルメール展」は、年末年始も休まずオープン。この時期に見られるのは、《牛乳を注ぐ女》をはじめ、《マルタとマリアの家のキリスト》《手紙を書く婦人と召使い》《手紙を書く女》《リュートを調弦する女》《真珠の首飾りの女》と、今回日本初公開となる《ぶどう酒のグラス》。1月9日~2月3日にはここに《取り持ち女》が加わる

上野の森美術館「フェルメール展」の展示風景より、右がヨハネス・フェルメール《手紙を書く婦人と召使い》(1670-1671頃、アイルランド・ナショナル・ギャラリー蔵 Presented, Sir Alfred and Lady Beit, 1987 (Beit Collection))

 入場者数ではこちらも負けてはいない。今年10月、オープンから約3ヶ月で来場者50万人を突破した豊洲の「チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com」も年末年始は無休で楽しめる。冬の季節だけ見られる作品もあるため、一度訪れたことのあるという方もこの機会にいかがだろうか。

森美術館「カタストロフと美術のちから展」の展示風景より、トーマス・ヒルシュホルン《崩壊》(2018)

 いっぽう、年末年始無休に加え、1月1日は22時までオープンしているのが六本木の森美術館だ。同館では、震災、テロ、金融危機など、世界各地で絶えず発生するカタストロフ(大惨事)をテーマとした「カタストロフと美術のちから展」が開催中。祝賀ムード漂う年末年始だが、国内外40組の作品を見ながらゆっくりと思索に耽るような過ごし方もおすすめだ。

 また、首都圏から少し足を伸ばせば、箱根ではポーラ美術館で「モダン美人誕生-岡田三郎助と近代のよそおい」、彫刻の森美術館ではアーティストの高橋匡太が屋外展示場と作品をライトアップする「箱根ナイトミュージアム」も年末年始無休となっている。

東京都美術館「ムンク展—共鳴する魂の叫び」の展示風景より、《叫び》(1910?)、《絶望》(1894)

 注目の展覧会が集まる上野では、東京国立博物館国立西洋美術館東京都美術館がそれぞれ1月2日から開館する。

 東京国立博物館では、毎年恒例、今年16回目となる「博物館に初もうで」で多数のイベントを実施。国宝の《松林図屛風》や《古今和歌集(元永本) 下帖》が特別公開されるほか、2019年の干支にちなみ、「亥(イノシシ)」をテーマとした作品や新春を彩る名品を展示。また、黒田記念館では、黒田清輝の代表作である《智・感・情》《読書》《湖畔》《舞妓》の4作品を特別公開する。

「ルーベンス展―バロックの誕生」の展示風景より、ペーテル・パウル・ルーベンス《パエトンの墜落》(1604-05頃)

 東京都美術館では、ノルウェーを代表する画家、エドヴァルド・ムンクの代表作を一堂に公開する回顧展「ムンク展—共鳴する魂の叫び」が(年内は12月30日まで)、国立西洋美術館では「王の画家にして画家の王」と呼ばれたルーベンスをイタリアとの関わりに焦点を当て紹介する展覧会「ルーベンス展―バロックの誕生」(年内は12月27日まで)が開催中だ。どちらの展覧会も1月20日で会期終了を迎えるため、混み合う会期最終日間近を避けて訪れることをおすすめしたい。

「吉村芳生 超絶技巧を超えて」展示風景より

 そして東京の玄関口・東京駅にある「東京ステーションギャラリー」も1月2日から開館(年内は12月28日まで)。同館では、写真や新聞を細密に描いた鉛筆画などで知られる画家、吉村芳生の中国・四国地方以外の美術館では初となる個展「吉村芳生 超絶技巧を超えて」が開催中だ。 

 また地方では、「毛利悠子 ただし抵抗はあるものとする」を開催中(年内は24日まで)の青森県・十和田市現代美術館、「邱志傑(チウ・ジージエ)書くことに生きる」を開催中(年内は28日まで)の石川県・金沢21世紀美術館、「松江泰治 地名事典|gazetteer」を開催中の広島市現代美術館が1月2日からオープンする。

 このほかにも年始から開館する美術館は多数あるので、開館時間を確認のうえ、旅先、帰省先などから美術館を訪れてみてほしい。

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