MUSEUMS / GALLERIES

国立西洋美術館

上野 - 日暮里 - 秋葉原|東京

外観(左側) © 国立西洋美術館

外観(右側) © 国立西洋美術館

 国立西洋美術館は1959年に開館。フランス政府から寄贈返還された約370点の松方コレクション(印象派の絵画およびロダンの彫刻を中心とするフランス美術コレクション)を基礎に、西洋美術全般を対象とする唯一の国立美術館。

 20世紀を代表する建築家のひとり、ル・コルビュジエが「無限成長美術館」の基本的な原理に基づいて設計した建物は、2016年に「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献―」の構成資産のひとつとして、世界文化遺産に登録されている。22年、同じくル・コルビュジエ設計の前庭を開館時の姿に近づけるべくリニューアル。植栽を最小限とし、西側の門からのアプローチと開放的な柵、ロダンの彫刻《考える人》と《カレーの市民》の位置を可能な限り当初の状態に戻した。またル・コルビュジエが人体の寸法と黄金比をもとに考案した尺度である「モデュロール」で割りつけられた床の目地も、細部にわたって復原している。
 
 リニューアルオープンを機に、松方コレクションを軸に紹介する常設展を再編成。中世から20世紀にかけての西洋美術に加え、新収蔵作品や注目の作品を取り上げて展示している。館内だけでなく前庭での展示とあわせ、世界文化遺産に登録された建物とともに作品鑑賞を楽しむことができる。