世界の風景を「地表」ととらえて。写真家・松江泰治の初期作から新作までを一望する

写真家・松江泰治の個展「松江泰治 地名事典|gazetteer」が広島市現代美術館で開催される。本展は、松江のデビュー初期から新作を含む現在の作品を紹介し、つねにテクノロジーの進化と向き合ってきた松江の挑戦を回顧するもの。会期は12月8日~2019年2月24日。

松江泰治 ATH 12319 2018 Courtesy of the artist, TARO NASU ©TAIJI MATSUE

 松江泰治は1963年生まれ。87年に東京大学理学部地理学科卒業後、写真家としてデビュー。これまでに東京で数多くの個展を開催してきたほか、アメリカやドイツのグループ展に参加するなど、国内外を問わず精力的に活動を行っている。

 96年に第12回東川賞新人作家賞、2002年に第27回木村伊兵衛写真賞、12年に第28回東川賞国内作家賞を受賞するなど、つねに高い評価を得てきた松江。その作品は、東京国立近代美術館、国立国際美術館、サンフランシスコ近代美術館など、国内外の美術館に収蔵されている。

松江泰治 CPT 27741 2018

 世界各国の様々な土地を写し取った松江の作品は、画面から中心性・周縁・奥行き・コントラストが徹底的に排除され、あらゆる要素が等価に扱われたもの。そのフラットな画面は、地平線のない構図、平面性への強いこだわり、被写体に影が生じない順光での撮影など一貫した制作スタイルから生み出されるという。

 今回、広島市現代美術館で開催される個展「松江泰治 地名事典|gazetteer」は、松江にとって公立美術館では初の個展。本展では、松江のデビュー初期から新作を含む現在の作品を紹介し、テクノロジーの進化によって生み出される新技術と向き合ってきた松江の挑戦を回顧するものとなる。

編集部

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