神奈川県箱根町の彫刻の森美術館では、昨年に引き続き、クリスマスへのカウントダウンが始まる季節から新年にかけて、高橋匡太による「箱根ナイトミュージアム」が開催される。
高橋は1970年京都府生まれ。照明や映像を巧みに操って光の可能性に挑む作品で知られる。新潟の越後妻有で2011年より毎年開催されている雪アートプロジェクト《Gift for Frozen Village》や参加型のライトアップ《ひかりの実》などから、十和田市現代美術館やワコール新京都ビルなどのコミッションワークまで、多岐にわたる活動を行ってきた。
そんな高橋が手がける「箱根ナイトミュージアム」は、彫刻の森美術館の屋外展示場と野外彫刻を活かして展開されるライトアップ。昨年よりもライトアップされる彫刻が増えたという今回は、同館への来館者がプレイベントで制作した《ひかりの実》などの新しい魅力も加わり、様々な色の光が会場全体に散りばめられる様子を楽しむことができる。
さらに高橋は、彫刻のライトアップの色に呼応して光の色が変化する提灯を考案。来館者はその提灯を持って回遊することで、昼間の野外美術館とはまったく異なる空間と出会うだけでなく、自身が参加することによって唯一無二の夜景が完成する感動も得られるだろう。