北斎の大波から《睡蓮》へ。巨大空間でたどるモネの芸術
毎時00分から上映される約50分の映像は、プロローグと6つの章、エピローグで構成される。

物語は、印象派が誕生した19世紀後半のパリから始まる。第1章「印象派と近代都市パリ」では、近代化によって大きく変貌する都市と、そこに生きる人々の姿を紹介。第2章「パリから海へ:光をもとめて」では、鉄道の発達によって行動範囲を広げたモネが、移ろう光や海の風景に魅了されていく様子が描かれる。
続く第3章「自然のなかへ」では、光と大気の変化を追い続けたモネの風景画が空間を包み込む。風景の色彩が壁面から床へと広がることで、鑑賞者はまるで絵画の内部に入り込んだかのような感覚を味わうことになる。
そして、本プログラムの重要なテーマとなるのが、第4章「ジャポニスム」と第5章「浮世絵:江戸の美と新たな視覚表現」だ。
第4章では、モネが妻カミーユに日本の着物を着せて描いた《ラ・ジャポネーズ》などを通じて、当時の西洋で広がった日本趣味を紹介。続く第5章では、北斎の《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》をはじめとする浮世絵が巨大な映像となり、その独特な構図や表現を体感できる。

ここで浮かび上がるのは、日本美術が西洋絵画に影響を与えたという一方向の関係にとどまらない、両者に共通する自然へのまなざしだ。光や季節の移ろいをとらえようとしたモネの表現と、限られた画面のなかに自然の壮大さや一瞬の情景を凝縮した浮世絵。その響き合いを、映像を通してたどっていく。
終盤の第6章「睡蓮:移ろう光、はてしない風景」では、モネが晩年に繰り返し取り組んだ「睡蓮」の世界へと移行。ジヴェルニーの自宅に日本風の橋や睡蓮の池を備えた庭園をつくり、光や水面の変化を描き続けたモネ。その芸術世界が、巨大空間を満たしていく。





















