レゴ®アートは「大人の没入体験」をどう設計しているのか
──近年、レゴグループは「Adults Welcome(大人も歓迎)」というメッセージを強く打ち出しています。この流れのなかで、レオナルド・ダ・ヴィンチの《モナ・リザ》やフィンセント・ファン・ゴッホの《ひまわり》《星月夜》など、美術史上の名作を立体化するシリーズ「レゴ®アート」を展開しています。その背景について教えてください。
グローブス 私たちは、多くの大人が、日常のストレスや忙しさから から離れ、手を動かしながら創造性を発揮できる体験を求めていることを知っています。 忙しい現代社会において、手を動かしながら何かを生み出す体験は、自然と心を落ち着かせ、夢中になれる心地よい没入感をもたらすものとして、その関心が高まっています。

レゴ®アートは、文化やデザイン、そして個人の情熱を入口にして、大人をレゴ®ブロックの組み立て体験へ自然に招き入れるきっかけになりました。とくに初めてレゴ®ブロックに触れる方にとっては、セットの美しさや、完成後にどのように飾られるかといった魅力が大きな意味を持ちます。レゴ®アートは、大人たちに「組み立てる楽しさ」と、「組み立てた後も飾って楽しめる作品」を提供しているのです。
──レゴグループは、このレゴ®アートをポートフォリオのなかでどのように位置づけていますか。
グローブス レゴ®アートは、レゴ®ブロックを使った創造的な遊びの世界とインテリアやアートの世界をつなぐ「クリエイティブな架け橋」としての役割を担っています。私たちは、レゴ®セットの可能性を広げることを目指しており、それはたんなる組み立て体験にとどまらず、リラックスしながら楽しめる時間であり、美しいアート作品であり、個人の趣味や感性を表現する手段として捉えてほしいのです。
またレゴ®アートは、クリエイティブな表現媒体としてのレゴ®ブロックの多様性を体現するシリーズでもあります。象徴的なアート作品や質感、細部のディテールがレゴ®ブロックによって再現されていく様子には、確かな驚きと感動があります。そうした「驚きの瞬間」も、この体験の重要な要素です。私たちは、人々に作品をもう一度見返してもらい、レゴ®ブロックという表現媒体を通して、そのなかにある新たな魅力を発見してほしいと願っています。

──既存のレゴファンとは異なる、どのような消費者層をターゲットにしていますか。
グローブス アートやデザイン、インテリア、ポップカルチャー、あるいは“語りたくなるディスプレイ作品”を愛する大人たちにも向けて発信しています。また、「レゴ®ブロックは自分向けではない」と感じている方々にも開かれた存在でありたいと考えています。文化的な関心を持つ大人たちにとって、自然に入りやすい入口をつくることが私たちの目標です。
──レゴ®アートは、製品価値を「遊ぶもの」から「インテリア」へと拡張しているように見えます。玩具市場が成熟するなか、ライフスタイル領域へ展開する狙いと、その反響について教えてください。
グローブス 私たちは、レゴ®アートを「遊び」から離れるものではなく、大人にとっての「遊び」の意味を広げるものだと捉えています。
現代の多くの大人は、日常の忙しさから離れ、心を落ち着けてリフレッシュできるような体験を求めています。そして、創造的な活動に完全に没頭し、日常のプレッシャーから一時的に切り離される「フローの瞬間」を大切にしています。レゴ®アートは、そうした感情的なニーズに応えるために設計されており、手を動かしながら心を落ち着かせる、リラックスしつつも視覚的な満足感のある組み立て体験を提供しています。
レゴ®ブロック製品 のポートフォリオの多くは、「遊び」を中心に構成されていますが、大人向け製品では、レゴ®ブロックがインテリアやホームデコレーションのアイテムとしても日々の暮らしのなかで異なる役割を果たせることを示しています。



























