「神話、伝承の現代的表現」においては、三沢厚彦、宮内由梨、川内理香子らの表現を見ることができる。三沢による空想上の生物「キメラ」をモチーフにした新収蔵作品をはじめとした、星座や人の想像力にまつわる作品が展示室や1階のさや堂ホールに並ぶ。


宮内は本展のための新作を出展。妙見信仰と、近年自身が滞在したインドネシアでの知見を重ね合わせ、星々への信仰に透ける人々の欲望や歴史の陰影をすくい取る。川内はかつて人類が夜空という暗闇に星座を見出したように、キャンバスの上に像を立ち上げていく。空間に点在する絵画やネオン管は、あたかも夜空の星々のようであった。



「光、エネルギーの彫刻」では、鉄を主な素材とする青木野枝による新作彫刻《光体》(2026)が存在感を放つ。重量のある構造体が宙に浮かぶその姿は、巨大なエネルギーを宿して漂う惑星を想起させる。植松琢麿はポップコーンを模した陶の彫刻を通じ、宇宙のもつ膨大なエネルギーをユーモラスに表現した。また、草間彌生や野村仁などの20世紀を代表する作家らの作品との共鳴も試みている。

「宇宙への想像と創造」では、渡辺泰子と渡辺望を取り上げる。SFに強い関心を寄せる渡辺泰子は、地球外知的生命体探査(SETI)に着想を得たフェルト作品や、北極星信仰にまつわる映像作品を発表。渡辺望は、北斗七星になぞらえて選んだ7つの石を館内各所に配置するインスタレーションを構築した。5階エレベーターホールにある巨大写真《Can a mere stone be the moon?(たんなる石ころは月になり得るのか?)》(2026)も見逃せない。館内を巡りながら星々としての石に出会う体験を楽しんでほしい。



地域が培ってきた歴史や信仰、天文資料、そして現代における最前線の表現が織りなす風景は、鑑賞者にとって現在地を示すとともに、過去から未来へとつながる大きな視線の広がりを提示してくれる。千葉開府900年というスケールを表現する密度の高い展覧会であった。



















