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瀬戸内・関西エリアで見るべき安藤忠雄の美術館建築ベスト10

直島がある瀬戸内エリアおよび関西に複数存在する、安藤忠雄が手がけた名建築をめぐる(最終更新:2025年11月24日)。

文=橋爪勇介(ウェブ版「美術手帖」編集長)

李禹煥美術館 撮影=山本糾

ベネッセハウス ミュージアム

ベネッセハウス ミュージアム

 年間約75万人(瀬戸内国際芸術祭開催年)が訪れる、まさに「現代アートの聖地」である直島。この直島巡りの拠点となるのが、ベネッセハウス ミュージアムだ。

 1992年にオープンしたこの施設は、直島に初めてできた安藤忠雄建築。宿泊施設と美術館施設が融合しているが、主役となるのはアート。つまり、「美術館の中に泊まる」ことができる施設だと言っていい。館内には、この場所のために制作されたインスタレーションをはじめとする多様な作品が長期展示されており、今年2月には常設展示替えが行われた。

 館内の中心部シリンダーホールには、同館でもっともアイコニックな作品であるブルース・ナウマンの《100生きて死ね》が鎮座する。コミッションワークではないものの、ベネッセの「よく生きる」を体現するものとして展示されており、美術館建築と見事な融和を見せる。

 また屋外の壁面には、1994年より杉本博司の「タイム・エクスポーズド」が常設展示。瀬戸内の水平線と接続する作品群をぜひ体感してほしい。

杉本博司 タイム・エクスポーズド
©Hiroshi Sugimoto
撮影=安斎重男

 なおベネッセハウス ミュージアムは宿泊者限定で夜間も作品鑑賞が可能となっているので、ぜひ宿泊してナイトミュージアムを楽しんでもらいたい。