坂本龍一が1980年代に撮影した写真を公開。「PHOTO RYUICHI SAKAMOTO」がSAIで開催

音楽家・坂本龍一が1980年代に撮影した写真を紹介する展覧会「PHOTO RYUICHI SAKAMOTO」が、東京・渋谷のSAIで開催される。会期は2026年10月17日〜11月8日。旅先の風景や人々、日常のなかで出会った光などを写した写真とともに、坂本が実際に使用していたポラロイドカメラの機材も展示される。

坂本龍一《Year_Unknown_32》(制作年不明)

 東京・渋谷のSAIで、坂本龍一(1952〜2023)の写真展「PHOTO RYUICHI SAKAMOTO」が10月17日に開幕する。音楽家として世界を舞台に活動していた1980年代、坂本が自らカメラを手に撮影した写真を紹介する展覧会だ。

坂本龍一が愛したポラロイド

 坂本がレンズを向けたのは、華やかな活動の記録だけではない。何気なく目にしたものや旅先の風景、人々の姿、ふと差し込む光など、日常のなかで出会った瞬間が写真として残されている。本展は、音楽とは異なるメディアを通じて、坂本が世界をどのように見つめていたのかをうかがう機会となるだろう。

坂本龍一《19820217_Ai_ga_Nakuchane_ Recording__by_Akiko_Yano_104》(1982)

 本展は、オランダに本社を置くPolaroid社の協賛によって開催。会場では坂本がポラロイドで撮影した作品とともに、実際に使用していたPolaroidの機材も特別展示される。

 撮影したその場で像が現れ、ネガを持たない一回性を特徴とするポラロイド写真は、1970〜80年代にアンディ・ウォーホルやサイ・トゥオンブリーら多くのアーティストに用いられてきた。独特の色彩や質感、偶然性を含むこのメディアを、坂本もまた旅先の風景や人々、光の断片を記録するために用いていたという。

 展覧会にあわせ、写真集『PHOTO RYUICHI SAKAMOTO』もSAIで先行発売される。坂本が1980年代に撮影した写真を「ポラロイド篇」と「スナップショット篇」の2冊に収録したもので、企画・編集は後藤繁雄と空里香、デザインは林修三が担当。2冊を収めるケースには、竹尾の色紙「NTラシャ」120色をランダムに組み合わせて使用する。定価は9680円。

 また会期中には、評論家・佐々木敦と編集者・後藤繁雄によるトークショー(10月17日)や、アーティスト・島袋道浩と後藤によるトークショー(11月1日)を実施。10月24日にはPolaroidワークショップも予定されている。

 音楽や音響作品を通じ、長年にわたって「音」をめぐる表現を追究してきた坂本龍一。その創作活動と並行してカメラに残していた私的な視線から、1980年代の坂本が見つめていた風景に触れる展覧会となりそうだ。

坂本龍一《19850717_Cafe_Lotus_Bali_Roll12_15》(1985)