水漏れへの応答から生まれた「モレモレ」
会場を構成するひとつ目のシリーズが、「モレモレ」だ。同シリーズの着想源となったのは、東京の地下鉄構内でたびたび見られる水漏れ。駅員たちはバケツや傘、ビニールシート、ホースといった手近な道具を組み合わせ、完全に水漏れを止めるのではなく、その場の状況に応じた応急処置をつくり出してきた。

毛利は、こうした即興的な対処のなかに、都市を維持するための小さな創造性を見いだす。作品においても、日用品や家具、容器、チューブなどが仮設的に組み合わされ、水を受け止め、送り、再び循環させる仕組みが形成されている。
重要なのは、その構造が水漏れを「解決」するためにつくられているわけではない点だ。水は容器から容器へと移動し、ときに滴り、予測できないリズムを刻む。整然と設計された機械と、その制御からこぼれ落ちる水の動きが共存し、展示空間に絶えず変化をもたらしていく。



















