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「杉本博司 絶滅写真」展(東京国立近代美術館)開幕レポート。杉本博司の原点とこれからを見る【5/5ページ】

サテライト展示も必見

 なお、本展では同館3階の所蔵品ギャラリーで、サテライト展示として「劇場・海景・スギモトノート」も開催。同館所蔵の杉本作品が全点展示されているほか、未公開資料「スギモトノート」が初公開されている。

 このノートには作品構想や調査記録、思索の断片などが記されており、会場ではレプリカを実際に手に取ることもできる。本展とあわせて忘れずに鑑賞してもらいたい。

2点とも、所蔵作品展「MOMATコレクション」10室「劇場・海景・スギモトノート」で展示されている「スギモトノート」
「劇場・海景・スギモトノート」展示風景

 「絶滅」という言葉からは終焉を連想しがちだ。しかし本展が示しているのは、むしろ終わりではなく変化のプロセスだろう。スマートフォンや生成AIによって、画像がかつてないほど大量に生産される時代にあって、写真の定義そのものが揺らいでいる。そうした状況のなかで杉本は、写真とは何か、光を記録するとはどういうことかという根源的な問いへと立ち返っているように見える。

 会場を巡っていると、本展がたんなる回顧展ではないことに気づかされる。そこにあるのは、50年にわたって写真の起源と未来を問い続けてきたひとりの作家の思考の軌跡であり、同時に写真というメディアの歴史でもある。

人間の網膜をフィルムとして捉えた写真装置《CAMERA MAN》(2026)

編集部

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