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「杉本博司:タイムマシーン」展、時空を超える圧巻の写真作品が一堂に

写真をはじめ、彫刻、インスタレーション、演劇、執筆、造園などの幅広い活動で知られる美術作家、杉本博司。彼の写真作品に特化したエキシビション「Hiroshi Sugimoto: Time Machine(杉本博司:タイムマシーン)」がロンドンにあるヘイワードギャラリーで開幕した。大型カメラを用いた写真作品の数々が放つオーラが、同ギャラリーの巨大なコンクリートの空間を満たした力強い展覧会となっている。会期は2024年1月7日まで。

文=坂本みゆき

展示風景より、「観念の形」シリーズと「数理模型」シリーズ Photo Mark Blower. Courtesy the artist and the Hayward Gallery

代表作の数々を余すところなく展示

 「タイムマシーン」。このタイトルほど、今回のエキシビションを明確に物語っている言葉はないのではないだろうか。原始から変わらないであろう風景、歴史上の人物、長い年月を経ていまなおそびえ立つ建築物など、杉本博司がそれらをとらえた作品の前に立つと、まさにタイムマシーンで別の時代や見知らぬ場所に誘われたような錯覚に陥る。そして本物と偽物の境界線はあやふやとなり、白昼夢を見ているようでもあり、同時に時空をひねったような、めまいのような不思議な感覚すら覚える。

展示室に座る杉本博司 Photo Rachael Smith

 杉本の半世紀を超える活動のなかでも代表作ともいえる連作の数々を一堂に並べた今回の展覧会は、1970年半ばにスタートして以来現在も続くシリーズ「ジオラマ」で幕をあける。

せめぎ合う実像と虚像、可視化と不可視化

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