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「杉本博司 絶滅写真」展(東京国立近代美術館)開幕レポート。杉本博司の原点とこれからを見る【3/5ページ】

第2章「観念の形」

 第2章「観念の形」では、人間の知性や想像力によって生み出された様々な「かたち」をテーマにしたシリーズが紹介される。

第2章の「建築」シリーズ ©︎Hiroshi Sugimoto / Courtesy pf Gallery Koyanagi
第2章の「建築」シリーズより、右は《サヴォア邸》(1998) ©︎Hiroshi Sugimoto / Courtesy pf Gallery Koyanagi

 「建築」シリーズは、ル・コルビュジエの「サヴォア邸」や「ワールド・トレード・センター」など様々な建築物を撮影したシリーズだ。しかしそこに写る建築は、輪郭が曖昧で、夢のなかのイメージのようにも見える。杉本は撮影時に焦点を意図的に外すことで、建築家が図面を引く以前、頭のなかで思い描いていたヴィジョンそのものを写真によって可視化しようと試みた。完成した建築ではなく、その起源にある観念を写そうとする試みと言えるだろう。

 また、「スタイアライズド・スカルプチャー」では、人体と衣服の関係を近代彫刻として捉え直す独自の視点が展開される。本展では、クリスチャン・ディオールの「バー」ジャケットやドレスを撮影した初公開作品も展示。ファッション写真でありながら、衣服をまとう身体の存在感や造形性が際立ち、まるで彫刻作品のような印象を与える。

「スタイアライズド・スカルプチャー」シリーズの新作となった《クリスチャン・ディオール、Soirée 1947》(2025) ©︎Hiroshi Sugimoto, Object:©︎ Christian Dior Couture collection, Paris
手前は《数理模型 014 定曲率曲面、双曲型の回転面》(2012)。奥に見えるのは《クリスチャン・ディオール、Bar 1947》(2025) ©︎Hiroshi Sugimoto, Object:©︎ Christian Dior Couture collection, Paris

編集部

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