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「アンドリュー・ワイエス展」(東京都美術館)開幕レポート。窓、扉、そして人、「境界」をめぐる絵画との対話

東京・上野の東京都美術館で、アンドリュー・ワイエスの没後日本初となる回顧展「東京都美術館開館100周年記念 アンドリュー・ワイエス展」が開幕した。会期は7月5日まで。会場をレポートする。

文・撮影=三澤麦(編集部)

アンドリュー・ワイエス《オルソンの家》(1966)水彩、紙

 東京・上野の東京都美術館で、アンドリュー・ワイエス(1917〜2009)の没後日本初となる回顧展「東京都美術館開館100周年記念 アンドリュー・ワイエス展」が開幕した。会期は7月5日まで。担当は同館学芸員の髙城靖之。

 ワイエスは20世紀アメリカ具象絵画を代表する画家だ。二次世界大戦後に脚光を浴びたアメリカ抽象表現主義、ネオ・ダダ、ポップアートといった潮流から距離を置き、ひたすら自身の身近な人々と風景を描き続けた。その作品は、眼前にある情景の再現描写にとどまらず、作家自身の精神世界が深く反映されている。

アンドリュー・ワイエス《粉挽き場》(1962)。ワイエス夫妻が新居として入手した古い粉挽き小屋と穀物倉が描かれている

 本展は、ワイエスが描き出した「境界」の表現に着目し、その眼差しを追体験することを試みるものだ。「境界」は西洋絵画史において伝統的なテーマであるが、ワイエスにとってはより私的な世界とのつながりとして機能しているといえる。日本での17年ぶりの個展であり、没後初となるこの大規模な回顧展で、ワイエスが70年にわたる画業のなかでどのようなテーマを選び取り、描き続けてきたのかを展望する。

左はワイエスのアトリエ風景。大きな窓と自然光の織りなす陰影がワイエス作品の印象と重なる

編集部