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企画展「開館30周年記念 未来/追想 千葉市美術館と現代美術」(千葉市美術館)開幕レポート。草間彌生作品も全点公開【2/6ページ】

 8階の展示室を入るとすぐに、田中敦子(1932〜2005)の作品が目に入る。本セクションでは具体美術協会について、田中のほかに、白髪一雄(1924〜2008)、元永定正(1922〜2011)などの作品とともに紹介されている。

展示風景より、「まだ誰も見たことがない芸術ー具体美術協会」セクション

 さらに奥へ進むと、1951年に瀧口修造(1903〜79)によって命名された前衛芸術グループである実験工房が紹介されている。同グループは、駒井哲郎(1920〜76)、北代省三(1921〜2001)、大清司(1923〜2001)、福島秀子(1927〜97)、山口勝弘(1928〜2018)、武満徹(1930〜96)らの、当時20代前半〜30代前半までの14名の美術家と音楽家、技術者によって構成されていた。同館では実験工房の作品を幅広くそろえており、過去には実験工房に焦点を当てた展覧会を複数実施している。

展示風景より、「社会に接続する実験の精神ー実験工房」セクション

 同館は現代美術の収集をはじめた1991年度に、マルセル・デュシャン(1887〜1968)の「大ガラス」および《遺作》に関連した版画作品も収蔵している。デュシャンの日本での受容に重要な役割を果たしたのは瀧口修造だが、同館では1960〜63年までの瀧口の作品も収蔵しており、2011〜12年には「瀧口修造とマルセル・デュシャン」展を実施している。

展示風景より、「先駆者との交流と想像ーマルセル・デュシャンと瀧口修造」セクション

編集部