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企画展「開館30周年記念 未来/追想 千葉市美術館と現代美術」(千葉市美術館)開幕レポート。草間彌生作品も全点公開【5/6ページ】

 1人の作家の作品を複数所蔵する方針を体感できるセクションとして、河原温(1932〜2014)作品のコレクションも特筆したい。同館では河原の作品を23点所蔵しており、本セクションでは「Today」シリーズ全19点を含む20点が展示されている。

展示風景より、「百万年後の未来を想うー河原温」セクション

 また同会場に展示されている《百万年ー未来》は、10冊の書物による作品で、各ページには、1984年から百万年後の1001983年までの年号が記されている。すでに遠い未来を見据えた作品を発表していた河原の姿勢が想像できる本作は、本展のテーマのひとつである「未来」への指向を示唆する作品だと言える。

展示風景より、河原温《百万年ー未来》(1983)タイプ、コピーほか

 本フロアの最後のセクションは、写真家・現代美術家の杉本博司(1948〜)。同館の開館記念展第2弾である「Tranquility一静謐」展の再現展示となっている。会場には「海景」シリーズ18点が過去展示と同様に並び、同館のコレクションが重ねてきた時間と空間の厚みが感じられる機会となっている。

展示風景より、「コレクションが重ねてきた時間ー杉本博司」セクション

編集部