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企画展「開館30周年記念 未来/追想 千葉市美術館と現代美術」(千葉市美術館)開幕レポート。草間彌生作品も全点公開【3/6ページ】

 続いて、同館の1960年代のコレクションで重要な位置を占める篠原有司男(1932〜)、赤瀬川原平(1937〜2014)、荒川修作(1936〜2010)らが、60年に結成した「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」の作品が並ぶなか、美術批評家である東野芳明(1930〜2005)により、「ガラクタの反芸術」と評された工藤哲巳(1935〜90)の作品が紹介されている。本章では、反芸術の中心にいた工藤が、1966年以降フランスを拠点に行った「あなたの肖像」というハプニングに関する作品が展示されている。作品を屈んで覗き込むと、蛍光色のサイコロのなかに潜む工藤と目があいドキっとするような感覚を覚える。

展示風景より、「社会を挑発する芸術の衝動ー『反芸術』と工藤哲巳」セクション

 60年代という時代は、世界各地でも様々な芸術動向が誕生した時期であり、とくにアメリカにおいてはミニマル・アートやコンセプチュアル・アート、ポップ・アート、ランド・アートといった多様な動向が同時多発的に起こっていた。同館では、この時期の海外作家の作品も断続的に収集されており、コンセプチュアルアートにおける重要なアーティスト、ジョセフ・コスースやダン・グラハムの大規模個展も過去に開催している。

展示風景より、「拡張する芸術ー1960ー70年代のアメリカを中心に」セクション

 そしてその先に、本展のメインビジュアルにもなっている草間彌生の作品が展開されている。同館は、代表作である「無限の網(Infinity Nets)」シリーズの大型作品《No.B White》のほか、寄託作品を含む19点を収蔵している。本展は、その全作品が公開されている大変貴重な機会だ。

展示風景より、「愛と平和が世界をつなぐー草間彌生」セクション

編集部