続いて7階の会場に移動すると、「見えること」と「見えないこと」、その関係性をテーマに活動を続ける河口龍夫(1940〜)の展示となる。同館では97年に「関係一河口龍夫」展を開催した。本セクションでは、26枚の写真パネルからなる〈陸と海〉(1970/1992プリント)を軸に、河口の70年代前半の造形表現が紹介されている。会期中には、5階の常設展示室で「特集 河口夫<関係一蓮の時・葉緑素)」(〜10月5日)が同時開催されているため、そちらもあわせて見てほしい。

同館では、1人の作家につき複数の作品を収蔵し、作家の多様な作品展開を時間という尺度でも深掘りできるようにしているという。その方針を強く感じさせるセクションのひとつが、ハイレッド・センターのメンバーである中西夏之(1935〜2016)のセクションだ。同館では、初期の1959〜60年に制作された《韻’60》から90年の《中央の速い白Ⅷ》までの作品を計10点所蔵しており、約30年間の中西の絵画の展開を追うことができる。作品を同じ空間で比較することで、制作年ごとによる明確な違いに気づける機会となっている。




















