国立西洋美術館で、「西洋絵画、どこから見るか?―ルネサンスから印象派まで サンディエゴ美術館 vs 国立西洋美術館」(通称「どこみる展」)が開幕した。会期は6月8日まで。
本展は、アメリカのサンディエゴ美術館と国立西洋美術館の所蔵品をあわせた88点を展示し、ルネサンスから19世紀末に至る約600年の西洋美術史をたどるものだ。
カリフォルニア州最南端に位置するサンディエゴは、スペイン人の入植によって築かれた都市である。その歴史を背景に、サンディエゴ美術館ではスペイン美術を中心に収集を進めてきた。
サンディエゴ美術館は1926年に開館し、スペイン・プラテレスコ様式を復興した建築が特徴的だ。所蔵品はヨーロッパ、南北アメリカ、アジアと多岐にわたり、その数は約3万2000点に及ぶ。とくにヨーロッパ古典絵画のコレクションは、1930〜40年代にパットナム姉妹ら篤志家の協力によって形成され、イタリア初期ルネサンス絵画やスペイン絵画の充実度が高いことが特徴だ。

本展を監修したのは、マイケル・ブラウン博士(サンディエゴ美術館ヨーロッパ絵画担当学芸員)と川瀬佑介(国立西洋美術館主任研究員)。作品を単独で鑑賞するのではなく、両館のコレクションを掛け合わせ、関連性のあるものをペアや小グループにまとめて展示し比較することで、「より深い視点から西洋絵画の魅力を探る構成」となっていると、川瀬主任研究員は開幕に際して話している。