第3章「18世紀」では、イタリアとフランスを中心に発展した18世紀美術に焦点を当て、風景画、肖像画、風俗画といったジャンルごとに、地域ごとの特色を探る。18世紀末から19世紀初頭にかけて、フランスでは女性芸術家の活躍が目覚ましかった。本展で並べて紹介されたアデル・カペの《自画像》(1783頃)とマリー=ギルマン・ブノワの《婦人の肖像》(1799頃)が印象的だ。


カペの自画像では、巻き髪や淡いブルーのリボン、ロココ特有の優美なファッションが表現されている。いっぽう、ブノワの女性像はギリシャ彫刻を思わせる白いシュミーズドレスを纏い、より簡潔で新古典主義的な表現が特徴的である。時代の移り変わりを、女性画家の視点から感じ取ることができるだろう。