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「おかえり、ヨコハマ」(横浜美術館)開幕レポート。巨大美術館の新たな門出【4/5ページ】

第5章 また、こわれたみなと

 関東大震災、そしてその後の世界恐慌による打撃を乗り越えて、横浜は徐々に震災からの復興を果たしていった。瓦礫を埋め立てた山下公園が完成したのもこの頃(1930年)だ。

 震災復興から戦時下まで、繁栄を謳歌しながら、少しずつ時代の波にのまれてゆく横浜の姿を作家たちはどのように描いたのか。その代表例として展示されるのが洋画家・松本竣介の作品群だ。「Y市の橋」は、横浜駅近くの月見橋を描く一連の作品で、松本を代表するシリーズ。本展で初めて、横浜でまとまったかたちで紹介された。

展示風景より、松本竣介「Y市の橋」シリーズ

第6章 あぶない、みなと

 1945年5月に発生した横浜大空襲で被害を被った横浜。戦後も中心部は占領軍接収によって長く復興を阻まれた。この6章では、占領下から高度経済成長期までの横浜の様子をとらえた作品が並ぶ。

 1859年の開港時にいち早く港崎(みよざき)遊廓が開かれた横浜では、敗戦の際にも米軍兵のための慰安施設が準備。その役割は、真金町(永真)遊郭、本牧のチャブ屋街、街娼などにも引き継がれ、1958年の売春防止法完全施行まで続いた。

 本章ではとくに、赤線地帯で働く女性たちをとらえた写真家・常盤とよ子の作品群に目を凝らしたい。

展示風景より、常盤とよ子の作品群
展示風景より、常盤とよ子の作品群

編集部

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