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「オタケ・インパクト ―越堂・竹坡・国観、尾竹三兄弟の日本画アナキズム」(泉屋博古館東京)開幕レポート。風雲児・尾竹三兄弟の東京初の展覧会にみる近代日本画の光と影【4/5ページ】

第3章 「捲土重来の勢を以て爆発している」 ―三兄弟の日本アナキズム

 数々の挫折後、兄弟は門下生と開催した画塾展を発表の場としていく。1912年(大正元年)に竹坡が発足した「八火会」には越堂と国観も参加し、「八華会」、「八火社」と改称しつつ帝展(文展の後身)への対抗意識も鮮明に展覧会を開催する。3回の短い期間とはいえ、発表作は最先端の西洋絵画の動向も取り入れ、従来の日本画からは大きく逸脱した自由で斬新な表現を含み、その活動は大きな反響を呼んだ。

第3章展示風景より、手前が尾竹竹坡 《月の潤い・太陽の熱・星の冷え》 (1920、大正9年)宮城県立美術館 ※前期展示 日本画の前衛表現の先駆的作品とされる三幅対

 竹坡のキュビスムや未来派を思わせる先鋭的な作品は、その画題も含めて現代でも衝撃的だ。ナビ派のような装飾性や素朴派を彷彿とさせる描法や彩色など、この時期の竹坡は、ありとあらゆるものを吸収し、画面にぶつけているような迫力で圧倒する。

第3章展示風景より、左から尾竹竹坡 《大漁図(漁に行け)》 (1920、大正9年)個人、《庄屋》 (1914、大正3年)個人、尾竹国観 《大久保彦左衛門・松平長四郎》(左幅)(1913、大正2年) 知足美術館 ※ともに前期展示 《大漁図(漁に行け)》は、海面をみっちりと埋める写実的な魚の群れをぜひ近くで
第3章展示風景より、手前が尾竹越堂《失題》(20世紀、大正時代)福島県立美術館 ※前期展示

編集部

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