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「オタケ・インパクト ―越堂・竹坡・国観、尾竹三兄弟の日本画アナキズム」(泉屋博古館東京)開幕レポート。風雲児・尾竹三兄弟の東京初の展覧会にみる近代日本画の光と影【2/5ページ】

第1章 「タツキの為めの仕事に専念したのです」 ―はじまりは応用美術

 兄弟は新潟の紺屋(こうや・染物屋)に生まれた。父も文筆や絵を嗜む人物で、文化的環境に恵まれていたようだ。長男は幼くして上京し四代歌川国政に学び、下のふたりは、尾竹家に食客として滞在していた南画家・笹田雲石に学び、画号も与えられている。

第1章展示風景より

 その後、越堂が富山に移り、後に竹坡と国観も合流して、最盛期だった売薬の付録版画の下絵や新聞挿絵などを手がけて傾いた家業を助ける。国観が述懐するように、「生活の手段(タツキ)のため」に描いていた彼らは、注文主の意向に応じ、目的に的確に対応する能力を身に着け、それは後の創作の豊かな素地となる。

 対角線を効果的に使用する越堂の初期の売薬版画や、4歳と2歳から雲石に学んだという竹坡・国観の早熟の才を作品に確認しよう。

第1章展示風景より、左から尾竹竹坡 《飛鳥桜》(20世紀、明治時代後期)雪梁舎美術館寄託、《渡船場》(1902、明治35年頃)個人 ※ともに前期展示
第1章展示風景より、三兄弟による売薬版画。このほか子ども向けの雑誌などの挿絵や双六なども展示されている *展示替えあり

編集部

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