フィンランドのアーティストたちがとらえる「ケアの行為」。KANA KAWANISHIで3つの展覧会が開催

2月22日〜4月26日、西麻布のKANA KAWANISHI PHOTOGRAPHYと清澄白河のKANA KAWANISHI GALLERYで、3つの会期にわたる展覧会「Acts of Care」が開催される。マイヤ・タンミやヘルッタ・キイスキ、ナヤブ・イクラムなど、フィンランドを代表するアーティストたちが、ケアというテーマを独自の視点で表現する。

The Family(スチール) 2022© Nayab Noor Ikram

 西麻布のKANA KAWANISHI PHOTOGRAPHYと清澄白河のKANA KAWANISHI GALLERYで、3つの会期にわたる展覧会「Acts of Care」が開催される。会期は2月22日〜4月26日。

 本展は、カティ・キヴィネン(ヘルシンキ美術館主任学芸員)とピルッコ・シータリ(インディペンデントキュレーター/元ヘルシンキ現代美術館館長)が企画したもの。昨年開催された第15回光州ビエンナーレ・フィンランド館のために構想された展覧会の日本巡回展を骨子としながら、アーティストによる特別インスタレーションも日本展限定で披露される予定だ。

Octomom(部分) 2021-23
©︎ Maija Tammi, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

 第1期は、KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHYにて、2月22日〜3月29日にマイヤ・タンミの個展「Octomom」が開催される。マイヤ・タンミは、ヘルシンキ生まれのアーティストで、科学者やほかのアーティストと積極的にコラボレーションし、物事の「根本的な真相」を探求する作品を制作している。

《Octomom》(2021-23)の展示風景より
©︎ Maija Tammi. Courtesy Gwangju Biennale Foundation/KANA KAWANISHI GALLERY photo by Studio Possible Zone

 同ギャラリーで8年ぶりとなる今回の個展では、《Octomom》(2021-23)というインスタレーション作品が発表される。この作品は、「オーディオ・ストーリー」「砂に投影されるプロジェクション」「産後まもない新生児を抱く母の肖像写真」という3つの要素で構成されており、53ヶ月間(4年7ヶ月)にも及ぶ、世界でもっとも長い抱卵期間を持つ深海のタコ「オクトマム」が卵を抱く姿を映像としてとらえている。モントレーベイ水族館のロボット潜水艇によって撮影された映像も作品の一部として展示され、タコ、人間、そして時間の交錯を表現している。

《Octomom》(2021-23)の展示風景より
©︎ Maija Tammi. Courtesy Gwangju Biennale Foundation/KANA KAWANISHI GALLERY photo by Studio Possible Zone

編集部

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