注目のロットは?
注目作のひとつが、1990年秋冬コレクションの《Cigarette Shoulder Jacket》。パリの郵便局を舞台に行われた同シーズンのショーでは、バックヤードの制作過程を公開するなど、完成品だけではなく「服をつくる過程」そのものを提示した。出品作は、鋭く構築された「シガレットショルダー」と呼ばれる肩のラインを特徴とする、初期マルジェラを代表する一着だ。

また、鮮烈な赤を基調とした「赤のコレクション(The Red Show)」として知られる1995年秋冬コレクションからは、《Red Paint-Coated Denim Jacket》が登場。古着のデニムジャケットをベースに再構築し、全体を赤くペイントしたアーティザナル作品で、既存の衣服に別の価値を与えるマルジェラの方法論を端的に示している。

1997年春夏コレクションの《Stockman Jacket》も重要な出品作だ。このシーズンでは、パターンやトワルなど通常は完成品の裏側に隠される要素が表面化された。《Stockman Jacket》は、パリの老舗マネキンメーカー「Stockman」のトルソーをそのまま衣服へと転換したもので、衣服をつくるための「道具」を完成品へと反転させた代表作として知られる。




















