第31回の「ART TAIPEI」が開幕。台湾アートマーケットの新たな一歩

アジア最古のアートフェア「ART TAIPEI」が、今年で第31回目を迎え、台北世貿一館で開幕した。今年初めて台北アートウィークが同時開催されるフェアの様子をレポートする。

文・撮影=王崇橋(ウェブ版「美術手帖」編集部)

「ART TAIPEI 2024」の会場風景 画像提供=ART TAIPEI

 1993年から台北で開催されている、アジアでもっとも長い歴史を持つアートフェア「ART TAIPEI」が、台北世貿一館で第31回目の開幕を迎えた。

 同フェアを主催する社団法人中華民国画廊協会は、今年初めて台北アートウィークを同時開催し、台北市内の70軒のギャラリーや18の美術館などと連携し、多彩なプログラムを展開。フェアの開幕前夜、10月23日には台北故宮博物院が夜間特別公開され、VIP向けの展覧会ガイドツアーが行われた。

「ART TAIPEI 2024」の会場風景 画像提供=ART TAIPEI

 今年のART TAIPEIには123軒のギャラリーが参加しており、昨年の144軒より出展ギャラリーが減少したものの、国際的なブルーチップギャラリーであるペロタンや、SCAI THE BATHHOUSENANZUKAなど、地域内の有力なプレイヤーが数年ぶりに参加、あるいは初めて参展している点が注目される。

 2012年以来、12年ぶりに同フェアに参加するペロタンは、今回のフェアでもっとも高額とされる作品、リン・チャドウィックの100万ポンドの彫刻作品をはじめ、村上隆、シグリッド・サンドストローム、リー・ベー、ジョルジュ・マチューらの絵画を展示している。初日には、マチューの絵画が13万5000ユーロ、チャドウィックの彫刻が6万ポンドで売却され、リーの絵画作品8点にも多くのコレクターからリザーブが入っている。

会場風景より、ペロタンのブース

 同じく12年ぶりに参加したSCAI THE BATHHOUSEは、森万里子、宮島達男、何翔宇(ヘ・シャンユ)などの作品を展示。また、今年初めて出展した√K Contemporaryは、比田井南谷、篠田桃紅、浜田浄らの戦後の現代美術家とともに、1998年にペナンで生まれ、東京を拠点に活動しているアーティスト、ネルソン・ホーの線をテーマにしたドローイングや絵画のグループ展を展開。同じく初出展のNANZUKAは、田名網敬一、山口はるみ、ハビア・カジェハなどの作品を展示している。

会場風景より、SCAI THE BATHHOUSEのブース
会場風景より、√K Contemporaryのブース
会場風景より、NANZUKAのブース

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