ARTISTS

村上隆

Takashi Murakami

「村上隆の五百羅漢図展」会場風景

「村上隆の五百羅漢図展」会場風景

「村上隆の五百羅漢図展」会場風景

 村上隆は1962年東京都生まれ。アーティスト、キュレーター、コレクター、映画監督、有限会社カイカイキキ創業者といった様々な顔を持つ。93年東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。博士論文は『美術における「意味の無意味の意味」をめぐって』で、同大日本画科初の博士号取得者となった。日本美術の平面性とアニメーションなどの現代文化を接続させた「スーパーフラット」セオリーの発案者であり、その代表作家。

 96年に作品制作のための工房「ヒロポン・ファクトリー」を創設(2001年には有限会社「Kaikai Kiki」として法人化)。2000年には渋谷パルコギャラリーで自身がキュレーションしたグループ展「SUPERFLAT」(渋谷パルコ、ロサンゼルス現代美術館などを巡回)を開催。佐内正史、HIROMIX、奈良美智、Mr.、村上隆、ボーメ(海洋堂)などが参加した(翌年、ロサンゼルス現代美術館別館パシフィック・デザイン・センターに巡回)。05年にはニューヨークのジャパン・ソサイエティで「リトルボーイ—爆発する日本のサブカルチャー・アート」を開催し、06年にAICA USA(全米批評家連盟)による最優秀テーマ展覧会賞を受賞。10年にはヴェルサイユ宮殿で現代美術家としては3人目となる個展「MURAKAMI VERSAILLES」を開催。12年にカタールのドーハで個展「Murakami-Ego」を開催し、幅100mにおよぶ大作《五百羅漢図》(2012)を発表した。この《五百羅漢図》は15-16年に森美術館で行われた個展「村上隆の五百羅漢図展」でも展示され、この展覧会がきっかけとなり、平成27年度(第66回)芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した。

 17年には「Murakami by Murakami」(アストルップ・ファーンリ美術館、オスロ)をはじめとする5つの大規模個展を海外で開催。代表作には精液のような白い液体を放出する裸の青年の等身大のフィギュア《My Lonesome CowBoy》(1998)や、ウェイトレスの格好の等身大サイズの美少女フィギュア《Miss Ko2》(2003)などのほか、近年では日本美術をモチーフにした上述の《五百羅漢図》(2012)などがある。

 繰り返し登場するモチーフは「Mr.DOB」「お花」など。展覧会活動以外では02年より若手アーティスト向けのアートイベント「GEISAI」をスタート(これまで20回開催)。2003年にルイ・ヴィトンとコラボレーションし、「モノグラム・マルチカラー」を発表した。13年には長編映画作品『めめめのくらげ』で映画監督としてデビューしている。