新宿・歌舞伎町の中心部にあるアートスペース「デカメロン」。その店先に、日本初となるNFT自動販売機が設置されているのをご存知だろうか?
真っ白な筐体の側面に大きく「NFT」の3文字が書かれたこの自販機は、アーティスト・松田将英によるインスタレーション《ルナティックパンドラ》だ。松田は匿名のアーティストとして活動を開始し、2019年から実名に転換。昨今では夜間限定の展覧会「生態系へのジャックイン展」の一部として屋外彫刻作品《Ripples》を発表するなど、話題を集めている。
松田は自身初のNFTプロジェクト《THE LAUGHING MAN》を今年3月に有楽町で行われたNFTアートフェア「Meta
Fair #01」で発表。この作品は、オンラインコミュニケーションでもっとも多様される絵文字のひとつである「泣き笑い
(Tears of Joy)」をモチーフに、J.D.サリンジャーの短編や『攻殻機動隊』で知られる「笑い男
(Laughing Man)」の名を冠した作品シリーズだ。
今回の自販機では、銀の封筒に包まれた《THE LAUGHING MAN》の会員カー ド、NFCタグ(初回限定版のみアクリルキューブ)、6月に行われる会員限定の展覧会「Magic Number」のチケットを販売。指定フォームに会員番号とウォレットアドレスを送信すると、NFTが配布されるという仕組みとなっている。
松田はこの前代未聞の試みについて、「ニューヨークで発表されたNeonの自動販売機の事例を参考に、NFTに興味のない人やウォレットを所持していない人でも参加できるよう設計した。より多くの人にNFTやWeb3の思想を体験してもらいたい」と語っている。価格は1000円。アナログな自販機でNFTへとつながる体験をしてみてはいかがだろうか。