「帝国ホテル 京都」が26年春に開業へ。国の登録有形文化財「弥栄会館」を活用【2/2ページ】

1万6387枚のタイルを「生け捕り」

 外壁は解体前建物全体の10.6パーセントにあたる1万6387枚のタイルを「生け捕り」して再利用。また剥落防止措置を行いそのまま残した部分や、オリジナルに似せた復刻タイルを使用した箇所もあるという。また、「宝相華(ほうそうげ)」の文様が施されたテラコッタのレリーフについても剥落防止措置がとられ、破損していたものは修復された。

外壁タイル
外壁テラコッタレリーフ

 加えて外観で印象的な屋根は、劣化していたため新たにつくり変え、銅板を使用して、オリジナルの形状と寸法を忠実に再現した。銅板であるがゆえに時間経過とともに色が変化し、工事前の姿になることが想定されているという。また、軒丸の“歌”の刻印も復元されている。

軒丸の“歌”の刻印

 また内装デザインとしては、杉本博司とともに「新素材研究所」を率いる建築家・榊田倫之が起用されており、約90年前の建築をいかに現代に蘇らせ、そして未来へと継承するかに注目が集まる。

 なお帝国ホテルは、帝国ホテル 東京(本館・タワー)の建て替え計画も明らかにしており、建築家・田根剛がそのデザインを担う。

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