1万6387枚のタイルを「生け捕り」
外壁は解体前建物全体の10.6パーセントにあたる1万6387枚のタイルを「生け捕り」して再利用。また剥落防止措置を行いそのまま残した部分や、オリジナルに似せた復刻タイルを使用した箇所もあるという。また、「宝相華(ほうそうげ)」の文様が施されたテラコッタのレリーフについても剥落防止措置がとられ、破損していたものは修復された。
加えて外観で印象的な屋根は、劣化していたため新たにつくり変え、銅板を使用して、オリジナルの形状と寸法を忠実に再現した。銅板であるがゆえに時間経過とともに色が変化し、工事前の姿になることが想定されているという。また、軒丸の“歌”の刻印も復元されている。
また内装デザインとしては、杉本博司とともに「新素材研究所」を率いる建築家・榊田倫之が起用されており、約90年前の建築をいかに現代に蘇らせ、そして未来へと継承するかに注目が集まる。
なお帝国ホテルは、帝国ホテル 東京(本館・タワー)の建て替え計画も明らかにしており、建築家・田根剛がそのデザインを担う。
- 1
- 2