帝国ホテル 東京 新本館は田根剛がデザイン。「東洋の宝石」コンセプトに36年完成予定

株式会社帝国ホテルは、2036年に完成予定の帝国ホテル 東京 新本館のデザイン案として、フランスを拠点とする建築家・田根剛(ATTA- Atelier Tsuyoshi Tane Architects)のデザインを採用したと発表した。

田根剛による帝国ホテル 東京 新本館イメージパース Image: Atelier Tsuyoshi Tane Architects 帝国ホテルプレスリリースより 

 2036年に完成予定の帝国ホテル 東京 新本館。そのデザインを、フランス在住の建築家・田根剛(ATTA- Atelier Tsuyoshi Tane Architects)が担当することとなった。

 帝国ホテルは今年3月、帝国ホテル 東京(本館・タワー)の建て替え計画の実施方針を決定。本館については2031年度~ 2036年度に建て替え実施予定で、単独棟のグランドホテルとなる。

 帝国ホテルは1890年、海外貴賓を遇する洋風建築の迎賓館として開業。その後1923年にはフランク・ロイド・ライト設計による2代目本館が開業し、東京の近代化を先導する歴史的建築物となった。現在の本館は1970年の大阪万博を機に建て替えられたもので、83年には隣接する帝国ホテルタワーがつくられている。

 今回、その4代目となる本館建築を手がける田根剛は1979年東京生まれの建築家。Atelier Tsuyoshi Tane Architectsを主宰しており、現在パリを拠点に国際的に活動している。田根は場所の記憶を重視した建築をつくる「Archaeology of the Future」をコンセプトにしており、これまで「エストニア国立博物館」「新国立競技場・古墳スタジアム(案)」「弘前れんが倉庫美術館」「アル・サーニ・コレク ション財団美術館(2021秋完成予定)」などを手がけている。

 帝国ホテルは建築家選考にあたり、「品格・継承・挑戦」という3つのキーワ ードといくつかの条件のもと、国内外の建築家を候補にコンペを実施。「次世代の日本のホテル文化をリードする『新しいグランドホテル・迎賓館』にふさわしく、近景、遠景、どこから見ても『ザ・ホテル』の顔・存在感や独自性を体現するデザインを共に創り上げることができる建築家からの提案」(プレスリリースより)を求めたという。

 田根による4代目本館建築のコンセプトは「東洋の宝石」。田根は帝国ホテルだけでなく、ホテル業そのものを考察し、賓客を迎え入れる「宮殿」の構えと人類の進歩の証である「塔」を融合。2代目本館(ライト館)を形容する言葉として使われた「東洋の宝石」を継承し、未来につなげるコンセプトとして提案した。

 この田根の「帝国ホテルの歴史を深く考察し、それに立脚して未来につなが る建物を造る」というアプローチ姿勢が評価され、今回のデザインアーキテクト採用に至った。日本を代表するホテルと日本を代表する気鋭の建築家のタッグに、期待せずにはいられない。

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