今週末に見たい展覧会ベスト28。「田中信太郎」展から「エットレ・ソットサス」展まで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

田中信太郎《◯△◻︎(〝萌〟〝凛〟〝律〟)》(2001)真鍮(3点1組) 各290×290×15cm 田中信太郎アトリエ

もうすぐ閉幕

「資生堂アートハウス所蔵作品展 小村雪岱 -江戸を夢見る-/工藝を我らにセレクション 2026 -美しく暮らす、四季のしつらえ-」(資生堂アートハウス

「資生堂アートハウス所蔵作品展 小村雪岱 -江戸を夢見る-」の展示風景より

 6月27日に閉館する静岡県・掛川市の資生堂アートハウスで、大正から昭和初期にかけて幅広く活躍した美術家・小村雪岱(1887〜1940)の作品展「資生堂アートハウス所蔵作品展 小村雪岱 -江戸を夢見る- 工藝を我らにセレクション 2026 -美しく暮らす、四季のしつらえ-」が開催されている。レポートはこちら

 本展では、雪岱の代名詞とも言える挿絵原画をはじめ、版画、装幀本、舞台装置の下図、そして資生堂時代の貴重な作品など、約140点を展示。江戸の風俗や抒情を独自のモノクロームの世界で描き出した雪岱の画業の全貌を紹介している。

 また、同館では「工藝を我らにセレクション 2026 -美しく暮らす、四季のしつらえ-」を同時開催。2015年から23年まで同館で開催された企画「工藝を我らに」から名品を選りすぐり、正月から大晦日までの行事や室礼を再現。生活の中での工藝の楽しみ方を提案する。閉館する同館の多彩なコレクションを鑑賞できる貴重な機会となっている。

会期:2026年3月12日~6月27日
会場:資生堂アートハウス
住所:静岡県掛川市下俣751-1
開館時間:10:00~16:30 ※入館は閉館の30分前まで
料金:無料

「田中信太郎──意味から遠く離れて」(世田谷美術館

展示風景より、80〜90年代の作品群

 世田谷美術館で「田中信太郎──意味から遠く離れて」が開催されている。会期は6月28日まで。レポートはこちら

 田中信太郎(1940〜2019)は、日立市から上京後、ネオ・ダダの活動に参加した。その後、ハートの形やネオン管を使用したシンプルな形態の作品を発表し、注目される。制作者の感情から離れたところで表現を成立させることを試み、パリ青年ビエンナーレやヴェネチア・ビエンナーレなど数々の海外展にも参加した。アトリエを世田谷から日立へ移し内省的な制作環境に身を置いた後、1985年に再び作風を変えて復帰。作品は色彩豊かになり、平面と立体を組み合わせた複合的な姿をとるようになった。

 本展では、アトリエに遺された作品を中心に、書き留めた言葉とともに田中信太郎の活動を紹介。同じことを繰り返さず、新たな作品のあり方を提示し続けた田中の、視ることを基点とした美術の本質の探究に注目する。

会期:2026年4月25日〜6月28日
会場:世田谷美術館
住所:東京都世田谷区砧公園1-2
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで 
料金:一般 1400円 / 65歳以上 1200円 / 大高生 800円 / 中小生 500円 / 未就学児 無料

「拡大するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ」(東京オペラシティ アートギャラリー

ルネ・マグリット レディ・メイドの花束 1957 大阪中之島美術館

 東京オペラシティ アートギャラリーで「拡大するシュルレアリスム 視覚芸術から広告、ファッション、インテリアへ」が開催されている。会期は6月8日まで。

 シュルレアリスム(超現実主義)とは、理性によって分断された世界を乗り越え、新しい現実を求めようとする芸術運動だ。1924年にアンドレ・ブルトンが定義づけ、無意識や夢に着目したフロイトの精神分析学に影響を受けた文学運動として発生。シュルレアリスムは芸術の内部にとどまることなく、雑誌や広告、ファッション、室内デザインといった日常に密接した場面にも広がり、社会全体に影響をもたらした。本展では国内に所蔵されている多様なジャンルの優品を一堂に集め、社会全体へと拡大したシュルレアリスム像を展示している。

会期:[前期]2026年4月16日~5月17日、[後期]2026年5月19日~6月24日
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
住所:東京都新宿区西新宿3-20-2
開館時間:11:00~19:00 ※入場は閉館30分前まで
料金:一般 1800円 / 大学・高校生 1100円 / 中学生以下 無料

「うたう仲條 おどる仲條 ―文字と画と、資生堂と」(資生堂ギャラリー

「うたう仲條 おどる仲條 ―文字と画と、資生堂と」の展示風景

 資生堂ギャラリーで「うたう仲條 おどる仲條 ―文字と画と、資生堂と」が開催されている。会期は6月28日まで。レポートはこちら

 仲條正義(1933〜2021)は、資生堂の活動におけるデザインやアートディレクションに従事したほか、松屋銀座(1978)や東京都現代美術館(1995)のロゴデザインなどを手がけた。

 本展では、資生堂の企業文化誌『花椿』、資生堂パーラーのポスターやパッケージ、初出品の原画などを展示。没後5年目を迎える本年に、仲條が生涯にわたり資生堂とともに制作した作品を厳選して公開している。2000年代以降のコンピューターによるデザインが定着するなかでの、自由な構成や手描きによる作品に注目。資生堂とともに手がけた作品を通じ、仲條のデザインを紹介する。

会期:2026年3月3日~6月28日
会場:資生堂ギャラリー
住所:東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
開館時間:11:00~19:00(日祝~18:00)
料金:無料

「太刀掛秀子展」(弥生美術館

まりの きみの声が『りぼん』4月号 表紙 1980 ©太刀掛秀子/集英社

 弥生美術館で「太刀掛秀子展 〜『りぼん』70’sおとめチック☆エポック〜」が開催されている。会期は6月28日まで。

 太刀掛秀子は1956年広島県生まれ。73年、高校生の頃に第6回「りぼん新人漫画賞」で初の「入選」を受賞し、「雪の朝」でデビューした。「なっちゃんの初恋」「ミルキーウェイ」「雨の降る日はそばにいて」などを連載したほか、代表作に「花ぶらんこゆれて...」「まりの きみの声が」「ポポ先生がんばる!!」などがある。

 本展では、70年代半ばから後半にかけて少女雑誌『りぼん』で巻き起こった「おとめチック」ブームを牽引した太刀掛の原画を初公開。等身大の少女のラブストーリーを描いた「P.M.3:15ラブ♡ポエム」や、シリアスなストーリーの連載作品、ストーリー漫画として最後に発表された「星聖夜」などの原画や制作資料も展示。また太刀掛とともに『りぼん』で活躍した漫画家・陸奥A子、田渕由美子の原画もあわせて紹介している。

会期:2026年4月4日~6月28日
会場:弥生美術館
住所:東京都文京区弥生2-4-3
開館時間:10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
料金:一般 1200円 / 大・高生 1000円 / 中・小生 500円

編集部