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8つのキーワードが浮かび上がらせる、アナ・メンディエタの創造の軌跡。テート・モダンで10年ぶりの英国回顧展が開催中

キューバ系アメリカ人アーティスト、アナ・メンディエタ(1948〜85)の大規模回顧展がロンドンのテート・モダンで開催中だ。英国では約10年ぶりとなる本展は、「洞窟」「木立ち」「境界線」など8つのキーワードで120点以上の作品を再構成し、自然や身体、精神性をめぐるメンディエタの実践を今日的な視点から読み直す。会場の様子とともに、本展の見どころをレポートする。※8月3日24時まで、すべての方に全文お読みいただけます。

文=坂本みゆき

アナ・メンディエタ《バード・ラン》(1974) © The Estate of Ana Mendieta Collection, LLC. Licensed by Artist Rights Society (ARS), New York. DACS 2026. Courtesy of Marian Goodman Gallery and Alison Jacques, London

8つのキーワードで読み解く創作の軌跡

 アナ・メンディエタ(1948〜85)は、1970年代から80年代にかけて、彫刻、写真、映像など多岐にわたる手法で自身と自然のつながりを訴求し続けたアーティストだ。とくに土、火、花などを用いながら自らの体の輪郭を自然のなかに描き、大地と自分を融合する「アース・ボディ」という芸術概念を用いた作品シリーズで名高い。キューバのハバナで生まれながらも、革命後は姉妹とともにアメリカに亡命し、わずか12歳で両親や兄弟、祖国と引き離された。後にアイオワ大学で考古学と美術を学びんだ彼女は祖国とのつながりを再構築し、かつ新たに生み出そうと作品を制作し続けた。

 このたびのテート・モダンでの回顧展では、120点超の出作品をメンディエタの創作を象徴する8つのキーワードで分類し、キャリアにおける重要な転換点や自然と向き合い続けてきた姿勢を浮き彫りにしている(なお、メンディエタの36歳での夭折については全体を通して触れられることはない)。

 展覧会は「洞窟(The Cave)」と名付けられたセクションでスタートする。広々としたエントランスから、市松格子のように組まれたコンクリートブロックで覆われた窓と低い天井の空間へという導入は、まさに洞窟に入っていくような感覚に陥る。そこで最初に目に飛び込んでくるのは中央に床置きされた、砂でかたどり貝殻をあしらった《イェマヤ・ギフツ》(1982/2026再制作)だ。また映像作品《オチュン》(1981)も印象的。米フロリダ州キー・ビスケーンの海岸にかたどられた人型が、アメリカとキューバのあいだに流れる海水で流されていく様子を映し出している。

「洞窟(The Cave)」の展示風景より、手前は砂でかたどり貝殻をあしらった《イェマヤ・ギフツ》(1982/2026再制作) © The Estate of Ana Mendieta Collection, LLC. Licensed by Artist Rights Society (ARS), New York. DACS 2026. Photo © Tate (Yili Liu)

編集部