現代美術作家・杉本博司の創作の現場と思考に迫るドキュメンタリー映画『はじまりの記憶 杉本博司』が、8月15日より東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムでリバイバル上映される。
国際エミー賞のアート部門にノミネート
今回の上映は、東京国立近代美術館で開催中の大規模個展「杉本博司 絶滅写真」展(〜9月13日)にあわせて企画されたもの。同展では、杉本の活動初期にあたる1970年代後半から初公開の新作まで、約60点の銀塩写真が「絶滅」というテーマのもとで紹介されている。
杉本は、「ジオラマ」「劇場」「海景」などの写真シリーズで国際的に知られるいっぽう、建築や舞台芸術、書、陶芸などにも活動領域を広げてきた。2017年には、能舞台やギャラリー、茶室などを備えた文化施設「小田原文化財団 江之浦測候所」を開館するなど、その実践はジャンルを横断し続けている。
中村佑子が監督を務めた本作は、杉本が8×10インチの大型カメラを用いて撮影する様子をはじめ、日本、ニューヨーク、南フランス、シドニーにおける制作現場を長期にわたって記録したドキュメンタリーだ。杉本がカメラによって切り取られる「実像」をいかに疑い、写真をコンセプチュアル・アートの手段として展開してきたのか。その創造の源泉を追いながら、「人間にとって芸術とは何か」という問いへと迫るものとなっている。


出演は杉本のほか、安藤忠雄、李禹煥、野村萬斎、浅田彰。音楽を渋谷慶一郎、ナレーションを寺島しのぶが担当している。2010年にWOWOWで同名の番組として放送され、国際エミー賞のアート部門にノミネート。2012年の劇場公開時にはロングラン上映となった。
リバイバル上映に先立ち、8月14日16時50分から特別上映を実施。上映後には、杉本と中村監督が登壇するトークイベントが行われる。オンラインチケットは8月11日午前0時より、シアター・イメージフォーラムの公式サイトで販売される。
8月15日以降は、連日10時45分と19時の2回上映を予定。また公開後には、別のゲストを迎えたトークイベントも複数回実施される予定だ。美術館で杉本の写真作品をたどるとともに、映画を通してその制作と思考の背景に触れる機会となりそうだ。































