宮島達男による過去最大の個展。「宮島達男:如来(にょらい)」が上海民生現代美術館で開催中

LEDライトを使用して「生死」を表現する作品で知られている宮島達男。その1988年以降の各時代の代表的なインスタレーションやパフォーマンス作品、そして新作を紹介する過去最大の個展「宮島達男:如来(にょらい)」が、上海民生現代美術館で開催されている。会期は8月18日まで。

NEWS / EXHIBITION

第2回

統計データから見る日本美術界のジェンダーアンバランス。シリーズ:ジェンダーフリーは可能か?(1)

世界経済フォーラム(WEF)による2018年度版「ジェンダー・ギャップ指数」で、日本は「調査対象の149ヶ国中110位」という低順位であることが明らかになったが、日本の美術界の現状はどうか。美術手帖では、全11回のシリーズ「ジェンダーフリーは可能か?」として、日本の美術界でのジェンダーバランスを取り巻くデータ、歴史を整理。そして、美術関係者のインタビューや論考を通して、これからあるべき「ジェンダーフリー(固定的な性別による役割分担にとらわれず、男女が平等に、自らの能力を生かして自由に行動・生活できること)」のための展望を示していく。第1回では、社会学者の竹田恵子が美術大学、美術館に関する男女比のデータを読み解く。

ティルダ・スウィントンがキュレーション。ジェンダーの流動性にフォーカスした展覧会「Orlando」をチェック

アカデミー助演女優賞を受賞したイギリスの女優、ティルダ・スウィントンが初めてキュレーションした展覧会「Orlando」が、5月24日からニューヨークのアパーチャー・ギャラリーで開催されている。ヴァージニア・ウルフの小説『オーランドー』からインスピレーションを受けた本展では、ジェンダーの流動性や限界のない意識に注目する。

NEWS / EXHIBITION

ケルシー・ルーと杉本博司「江之浦測候所」が出会う。一夜限りのパフォーマンスが開催

神奈川県小田原市にある、杉本博司が手がけた「小田原文化財団 江之浦測候所」。ここで、ロサンゼルス拠点のアヴァン・チェリストでありボーカリストのケルシー・ルーが、一夜限りのライブパフォーマンス 「Kelsey Lu at Enoura Observatory sponsored by Akatsuki」を開催した。ルーはこの特殊な場所でどのようなパフォーマンスを見せ、どのような思いを抱いたのか? レポートをお届けする。

NEWS / REPORT

丸木俊の戦後の名作《解放され行く人間性》を着想源に。東京国立近代美術館がセクシャリティを問う小企画を開催

竹橋の東京国立近代美術館が、《原爆の図》などで知られる洋画家・丸木俊による裸婦像《解放され行く人間性》(1947)を、同館のコレクションに新しく収蔵した。今回その作品とタイトルに着想を得た、セクシャリティを問う小企画「解放され行く人間性 女性アーティストによる作品を中心に」をギャラリー4で開催する。会期は6月18日〜10月20日。

NEWS / EXHIBITION

ASSEMBLEが実践する都市再生とは? 藤村龍至評「アートが日常を変える 福原信三の美学 Granby Workshop」展

ASSEMBLE(アッセンブル)は、建築、アート、デザインの領域で活躍するアーティストらからなるコレクティブである。今年1月から今年3月にかけて、ASSEMBLEが参加するプロジェクト型の展覧会が東京・銀座の資生堂ギャラリーで開催された。本展は、資生堂ギャラリー100周年記念展として、同ギャラリーの創設者・福原信三の美学に共鳴する現代の複数のアーティストを招いて企画されたうちの第2弾。ASSEMBLEは、2015年にターナー賞を受賞した「グランビー・ワークショップ」の方法論を銀座で展開した。工房のような展示空間も注目された本展を通じ、建築家の藤村龍至が、アート、建築、社会の関わり方を考察する。

REVIEW

第1回

日本の美術界を取り巻くジェンダーを考える。シリーズ:ジェンダーフリーは可能か?(プロローグ)

世界経済フォーラム(WEF)による2018年度版「ジェンダー・ギャップ指数」で、日本は「調査対象の149ヶ国中110位」という低順位であることが明らかになったが、日本の美術界の現状はどうか。美術手帖では、全11回のシリーズ「ジェンダーフリーは可能か?」として、日本の美術界でのジェンダーバランスを取り巻くデータ、歴史を整理。そして、美術関係者のインタビューや論考を通して、これからあるべき「ジェンダーフリー(固定的な性別による役割分担にとらわれず、男女が平等に、自らの能力を生かして自由に行動・生活できること)」のための展望を示していく。まずはプロローグとして企画趣旨を掲載する。

子供から大人まで、冒険はきっと待っている。山本卓卓、ひらのりょうがKAATで人気児童小説『二分間の冒険』を舞台化

岡田淳による、子供たちに人気のファンタジー小説『二分間の冒険』を、劇団「範宙遊泳」主宰の山本卓卓、短編アニメーション作家のひらのりょうがタッグを組んで舞台化。今回、同作がKAAT 神奈川芸術劇場の「KAAT キッズプログラム」として8月17日〜25日(19日休演)に上演される。

NEWS / HEADLINE

平成の家族のかたち。椹木野衣評「しんかぞく」「作家で、母で つくる そだてる 長島有里枝」「長島有里枝展」「ホーム・ランド」「テーリ・テムリッツ『不産主義』」

平成から令和へ。その変化の前後に開催された、画家・和田唯奈がキュレーターを務める「しんかぞく」展、ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校 第4期の選抜成果展「ホーム・ランド」、写真家・長島有里枝のふたつの展覧会、そして日本在住のマルチメディア・アーティスト、テーム・テムリッツによるパフォーマンス『不産主義』。「家族」をキーワードに、これら5つを椹木野衣が読み解く。

REVIEW

シベリア抑留や被爆体験を描き続けて。詩画人・四國五郎の作品を再検証する展覧会が、大阪大学総合学術博物館で開催中

シベリア抑留や被爆体験を描き、絵本『おこりじぞう』の挿絵でも知られる四國五郎。近年再評価が進む四國の作品を、研究者の研究成果を結集して紹介する企画展「四國五郎展~シベリアからヒロシマへ~」が、大阪大学総合学術博物館で開催されている。会期は7月20日まで。

NEWS / EXHIBITION

架空の画家に擬態するユアサエボシの個展「曲馬考」が開催中。銀座 蔦屋書店の展覧会シリーズ「ART PARTY」をチェック

注目のクリエイターを定期的に紹介する銀座 蔦屋書店の展覧会シリーズ「ART PARTY」。初回の磯村暖に続き、第2回では「大正生まれの架空の三流画家」ユアサエボシその人に擬態し、シュルレアリスティックな作品を手がけてきたユアサエボシの個展「曲馬考」が開催されている。会期は7月12日まで。

NEWS / EXHIBITION

コラージュに見る、自由と即興の差異。清水穣評 「ヴィンセント・フェクトー」展と「THE COPY TRAVELERS|雲型定規がヤマをはる」展

彫刻家ヴィンセント・フェクトーの日本初個展と、加納俊輔、迫鉄平、上田良の3人によるユニット「THE COPY TRAVELERS」による展覧会「雲型定規がヤマをはる」を清水穣がレビュー。オルタナティヴ・モダンの作家としての前者が造形に追い求める自由と、次々とコラージュを生み出す後者の即興、そのあいだに存在する差異とは?

REVIEW

服を選ぶように作品を選ぶ。アートコレクター吉野誠一インタビュー

“現代美術コレクターの自宅”がコンセプトのカフェレストラン「SUNDAY」。そのプロデュースを手がけるのが、自身もアートコレクターである吉野誠一だ。作品の収集にとどまらず、なぜ「SUNDAY」 をはじめとした「作品のある空間」をつくり、美術を媒介としたコミュニケーションを築いているのか。様々なかたちで美術と向き合う吉野に、作品収集の魅力について話を聞いた。

INTERVIEW

「ある編集者のユートピア」を追って。ウィリアム・モリス研究者であり編集者、小野二郎の展覧会が世田谷美術館で開催中

ウィリアム・モリスの研究者、そして晶文社を立ち上げた編集者としても知られる小野二郎。小野が生涯追い求めた「ユートピア」の思想とともにその仕事をたどる展覧会「ある編集者のユートピア 小野二郎:ウィリアム・モリス、晶文社、高山建築学校」が、世田谷美術館で開催されている。会期は6月23日まで。

NEWS / EXHIBITION

第5回

ファッションに見る新しい表現(5) THERIACA ラビオリなどから抽出するシルエットとは?

アーティストとのコラボレーションも増え、人々のファッションへの受容が拡大する現代。アーティストの美意識や思想に共感し、作品を購入するのと同じ意識で自身の衣服を選ぶ人も多いのではないか。このシリーズでは、ファッションの新境地を追求する気鋭のブランドを紹介していく。第5回は、昨年夏に島根県立石見美術館で初となる大規模展覧会を開催し、神戸への巡回も決定しているベルリンのファッションレーベル「THERIACA」について取り上げる。