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現代美術×文学? 国立新美術館で「話しているのは誰? 現代美術に潜む文学」が開幕

東京・六本木の国立新美術館で、現代美術作品において様々なかたちで表れる「文学」に焦点を当てることを試みる展覧会「話しているのは誰? 現代美術に潜む文学」が開幕した。

 

小林エリカの展示室

 現代美術における文学の多様な表れ方を展観することを目的とした展覧会「話しているのは誰? 現代美術に潜む文学」が、東京・六本木の国立新美術館で開幕した。

 本展の参加作家は、北島敬三、小林エリカ、ミヤギフトシ、田村友一郎、豊嶋康子、山城知佳子の6作家。会場は各作家が独立した展示室を持つ構成となっており、同館で2008年から開催されてきた「アーティスト・ファイル」を思い起こさせる。

 本展において、田村、ミヤギ、小林、山城は新作を発表。

 例えば田村は、有名ハンバーガーチェーンを軸に、映像を組み込んだインスタレーション《Sky Eyes》を発表。様々なリサーチをもとに作品をつくり出す姿勢はここでも見られ、新たな風景が立ち上がっている。

田村友一郎《Sky Eyes》(部分)

 またミヤギはこれまで取り組んできた、沖縄における沖縄の男性とアメリカの男性の恋愛をテーマとした「American Boyfriend」から連なるような、沖縄各地を被写体とした写真26点と映像5点によるインスタレーション《物語るには明るい部屋が必要で》を発表。

ミヤギフトシ《物語るには明るい部屋が必要で》の展示風景

 作家を志した原点に『アンネの日記』があるという小林は、「ウラン」と「オリンピック」を作品の軸に添えた。原子爆弾の原料であるウランと、ベルリンと東京でのオリンピック聖火の足跡をたどりながら、原子力の起源から第二次世界大戦における使用を経て今日に至るまでの物語を、写真や映像、ドローイング、彫刻などによって構成している。

小林エリカの展示室より、手前は《ドル》(2017)

 これらの作品はそれぞれの展示室で十分完結していると言え、むしろ「現代美術に潜む文学」というテーマでキュレーションすることが、ネガティヴに働いている印象もある。

 ここで言う「文学」とはなにを意味し、どのような効果をもたらしているのか、という問いとともに、会場をじっくり見てほしい。

豊嶋康子の展示室

編集部

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