
光の演出は何を生み出したか。仲山ひふみ評 「クリスチャン・ボルタンスキー─Lifetime」展
現代フランスを代表するアーティスト、クリスチャン・ボルタンスキーの大規模個展が、国立国際美術館(大阪)から巡回し、国立新美術館(東京)にて開催されている。歴史や記憶、人間の存在の痕跡をテーマとしてきた作家の「演出」の手法とはいかなるものなのか、新進批評家として注目される仲山ひふみが論じる。

現代フランスを代表するアーティスト、クリスチャン・ボルタンスキーの大規模個展が、国立国際美術館(大阪)から巡回し、国立新美術館(東京)にて開催されている。歴史や記憶、人間の存在の痕跡をテーマとしてきた作家の「演出」の手法とはいかなるものなのか、新進批評家として注目される仲山ひふみが論じる。

自身も写真家である木村朗子を聞き手に迎え、「『写真/光をうけとる』トークセッションーもうひとつの写真に触れる」が東京・表参道のスパイラルで開催される。ゲストは野口里佳(8月8日)、木村和平(9月12日)、山本昌男(10月10日)の3名。

ジャンルを横断し、斬新な立体作品を制作した20世紀以降の画家たち。ピカソやマグリット、デュシャン、ジャッドなど、国内外の25名の作家による平面と立体の作品を並べて展観する企画展「描く、そして現れる―画家が彫刻を作るとき」が、DIC川村記念美術館で開催される。会期は9月14日〜12月8日。

糸を用いた大規模なインスタレーション作品などで、世界的に高い評価を得ている塩田千春。25年にわたる活動を網羅的に見せる過去最大規模の個展が森美術館で開催中だ。一昨年にがんが再発し、死と寄り添いながら治療と制作を進めてきたという作家は、いま、身体や魂の存在とどのように向き合い、かたちにするのか。映像作家の中村佑子がその軌跡を論じる。

戦後の具象彫刻を牽引するいっぽうで、帝国美術学校(現・武蔵野美術大学)の創設にも関わり、以降40年間にわたり同学で教鞭を執り続けた清水多嘉示(しみず・たかし)。武蔵野美術大学美術館では、そんな清水の功績をたどる「資料展」として、清水資料の全容を可能な限り展示することが試みられた。資料調査のワーク・イン・プログレスを「展覧会」というフレームで提示した本展を、埼玉県立近代美術館学芸員の佐原しおりがレビューする。

アーティスト・久野彩子の個展「都市のメタモルフォーゼ」が、石川県の金沢21世紀美術館で開催されている。本展は、同館が14年より実施している、若手作家を中心に個展形式で紹介する展覧会シリーズ「アペルト」の第11回目。会期は9月23日まで。

黎明期写真や活版印刷術など複製技術の歴史に関心を寄せ、写真やテキストによる作品を制作してきたアーティスト・村上華子の個展が、水戸芸術館現代美術ギャラリーで開催されている。会期は10月6日まで。

2018年には54万人を動員した「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」。その関連企画として、8月10日より「『大地の芸術祭』の里 越後妻有2019夏」がスタートする。

7月27日13時より東京・代官山で開催されたSBIアートオークションのモダン&コンテンポラリーセール。現代美術作品を中心としたアートオークションとしては日本有数の規模を誇るオークションであり、今回も500点近い作品が出品された。会場の様子と、主要な落札結果をピックアップしてレポートする。

2019年4月、広島平和記念資料館で1955年の開館以来3度目となる展示リニューアルが行われた。「実物資料で表現すること」などを展示方針に掲げたこのリニューアルでは何が変わり、何をもたらしたのか? もうひとつの資料館である長崎原爆資料館における加害展示論争とともに論じ、彫刻家・彫刻史家の小田原のどかが、いまだ見ぬ「国立の戦争博物館」における展示の未来について問う。

公共空間で誰もが鑑賞できるパブリック・アート。そんなパブリック・アートが多数存在する東京で、編集部がおすすめする5つの作品をピックアップして紹介する。

国内外で活躍する画家・津上みゆきの個展「View ― 人の風景」が、長崎県美術館で開催される。本展では、2018年度に朝日新聞紙面で連載された朝井まかてによる小説『グッドバイ』の挿画制作を機に長崎に取材したシリーズの原画全54点に加え、江戸時代より続く秋の大祭「長崎くんち」の風景を描いた2枚1組の横幅6メートルにおよぶ大作などを、スケッチとともに見ることができる。会期は8月3日~10月9日。

平安時代より知られる名湯「城崎温泉」。英語の旅行ガイドブックで世界一のシェアを誇る『ロンリープラネット』では日本のベスト温泉のひとつにも選ばれたこの温泉があるのが、兵庫県豊岡市だ。温泉に加え、近年様々な文化施設が新設されるこの地域の魅力を紹介する。

夏休みを利用して海外の美術館を訪れる人も多いだろう、そこでここでは、上海で開催されている展覧会のなかから、編集部が注目する展覧会を5つピックアップして紹介する。

大正時代に活動し、20歳と2ヶ月の若さでこの世を去った画家・関根正二。約160点の作品と資料による20年ぶり、過去最大の回顧展「生誕120年・没後100年 関根正二展」が、福島県立美術館(9月14日~11月10日)を皮切りに三重県立美術館(11月23日~2020年1月19日)、神奈川県立近代美術館 鎌倉別館(2020年2月1日~3月22日)で開催される。

アーティストの村上隆と、バッグブランド・吉田カバンが手がける「PORTER」がコラボレーションアイテムを発売。7月27日には、カイカイキキが運営するスーベニア・ショップ「Tonari no Zingaro」でも販売される。

美術品市場分析会社「ArtTactic」のレポートによると、2019年上半期の世界オークション売上高が前年同期比で20.3パーセント減少し、55億5000万ドル(約6000億円)という数字になった。その原因とは?

渋谷を舞台としたアート・プロジェクト「SHIBUYA / 森山大道 / NEXT GEN」が今夏開催。渋谷駅周辺の路地裏を森山大道の写真がジャックする「STREET」(8月2日〜15日)、東横線渋谷駅のヒカリエ改札地下4階の空間で森山や山田智和が参加する「UNDERGROUND」(8月1日〜4日)などの展示が行われる。

先週スタートした展覧会と7月28日までに終了する展覧会のなかから、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。この機会をお見逃しなく。

世界各地にグラフィティやステンシル画を残す覆面アーティスト・バンクシーがInstagramに画像と動画を投稿。グラストンベリー・フェスティバルに出演したラッパー・ストームジーの衣装を制作したことを明らかにした。