農業が拓くアートの未来。「青森EARTH2019」が青森県立美術館で開催

青森の大地に根ざしたアートを探究する「青森EARTH2019:いのち耕す場所 −農業がひらくアートの未来」が青森県立美術館で開催されている。「農業」にまつわる12名の作家の作品を紹介し、農業からアートの未来を考える本展の会期は10月5日〜12月1日。

ジャン フランソワ・ミレー 落ち穂拾い(第二版) 1855 山梨県立美術館蔵

 「青森EARTH」は青森の大地に根ざしたアートの可能性を探究する、2012年に始まったシリーズ企画。今回のテーマは「農業」。厳しくも豊かな自然に囲まれた青森地域の食や社会を支える農業から、人が生きる力を養う術(アート)として制作された作品を展示する。会期は10月5日〜12月1日。

 本展は「ひと玉のりんごから」「土と心とを耕しつつー『農民芸術』いまむかし」「透きとおる農地で」などの農業にまつわる5つのセクションで構成。雨宮庸介、オル太といった現代アーティストの新作を中心に現代美術の「いま」に迫る。

雨宮庸介 truth 2005 Courtesy of the artist

 また、美術作品とともに農具や種子といった関連資料も展示され、人間の生きるための営みから芸術の可能性を探究する。

 さらに、芸術家ヨーゼフ・ボイスの「人は誰もが芸術家である」という言葉にも通ずる哲学体系の構築を行った青森ゆかりの思想家たちを現代美術とともに紹介。人間と自然との新しい関係を模索しながら、芸術の未来を考える。

大小島真木+アグロス・アートプロジェクト 明日の収穫 2017−18 Courtesy of the artists

 今年の参加作家は、青森の農具、青森の教育版画(子どもたちが制作した版画作品)、浅野友理子、雨宮庸介、安藤昌益、岩名泰岳、江渡狄嶺、大小島真木+アグロス・アートプロジェクト、オル太、久保寛子、田中功起、塚本悦雄、常田健、丹羽良徳、 リ・ビンユアン、三原聡一郎、ジャン=フランソワ・ミレー、ザ・ユージーン・スタジオ、ジョン・ラスキンの12名。

 ミレーから現代美術まで、様々な農業にまつわる作品を通じ、芸術の未来の開拓を試みる本展をお見逃しなく。

常田健 ひるね 1939 常田健 土蔵のアトリエ美術館蔵
リ・ビンユアン Freedom Farming 2014 Courtesy of the artist

 

編集部

Exhibition Ranking