石川直樹は1977年生まれ、東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程を修了。2000年に北極から南極までを人力で踏破するプロジェクトに参加し、01年には七大陸最高峰登頂に成功した。文化人類学や民俗学の領域に関心を持ち、日本や世界各地の辺境・都市を旅しながら作品を発表し続けている。
最新刊にエッセイ『極北へ』(毎日新聞出版、2018)、ヒマラヤの8000メートル峰に焦点を当てた写真集シリーズの6冊目となる『AmaDablam』(SLANT、2019)など。また、都道府県ごとに47冊の写真集を刊行する「日本列島」プロジェクト(SUPER LABO×BEAMS)も進行中だ。
そんな石川による個展「『島は、山。』island≒mountain」が、鹿児島県霧島アートの森で開催されている。会期は12月1日まで。
「陸と海が接する島はもともと山であり、山は島でもあるのではないか」。本展ではこの問いを出発点として、写真・映像など約100点によって構成。石川が10代の頃から関心を寄せ続けている、鹿児島からアジアへと広がる島々のつながりを写真によって見つめ直そうとするものだ。
展示されるのは、島々の祭祀儀礼から島と異界について考える「MAREBITO」や、島の連なりをとらえ、既存のボーダーを超えた海のネットワークを明らかにする「ARCHIPELAGO」、かつて海の底にあったヒマラヤの山々と地球の造山活動を重ね合わせる「HIMALAYAS」といったシリーズ。本展では世界中を旅してきた石川による島と山、そしてそこにある生活への眼差しを見ることができるだろう。